「武」とは
「武」という文字は「二」と「戈」(ほこ)と「止」の3つの文字が組み合わされてできています。
すなわち、「武」は「二つの戈を止める」という意味を持つ文字です。
戈は、諸刃(もろは)の剣に長い柄をつけた武器のこと。
文字の起源と意義を解説した『説文解字』という中国・後漢時代(西暦25年〜220年)の書物には、「武は撫(な)でることであり、戈を止めることである。争乱を鎮め治めることである。争乱を平定して、人としてあるべき本来の道にもどし、敵をなだめ統一することが本当の意義である。」と説かれています。
武の意義は、決して闘争を求めたり、敵に勝ち、敵を殺すことにあるのではなく、人と人との争いを止め、平和と文化に貢献する和協の道を表した道徳的内容を持つものなのです。
−『少林寺拳法副読本』38頁〜39頁より