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笑話集の書庫にようこそ
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(160)「自然死」
二人の男の会話。
「君の友人の、あの太っちよの男は、どうしている?」
「死んだよ」
「死んだ? なんで死んだんだい」
相手の男は、冷静に答えた。
「自然死さ。自動車にひかれて死んだんだからね」

(159)「愛犬家」
「わたしの愛犬、ニニイが迷い子になってしまったんです。どうしたらいいでしよう・・・」
「それなら、新聞に広告をお出しなさい」
「それが、駄目なんですのよ。あの犬は字が全然、読めないんですもの・・・」

(158)「事故死」
末亡人と保険会社の社員の会話。
「確か事故死の場合は保険金を二倍支払うという契約でしたわね」
「はい、ですが、お宅の御主人の場合は心臓マヒですから、事故死にはなりません」
「あら、あなた、なにもご存知ないのね。主人は焼け死んだんですよ」
「・・・」
「だってお棺の中から、たしかに「あけろ」って声がしたんですもの」

(157)「結婚休暇」
兵隊が結婚休暇を上官に願い出た。
「その女とどの位つきあつたのか」
「一週間であります」
「どうも短かすぎるな。二ヶ月してまだ結婚したけりや、許可しよう」
二ケ月目。その兵隊がやつてきた。
「まだ結婚したい望みを持ちつづけてたのか。今の若い者がこんなに長いこと一人の女に夢中になるとは」
「上官殿、自分も同感であります。これは前とは違う女であります」

(156)「うぬぼれ」
村の若者の一人が、近く結婚するため教会ヘザンゲにきた。
「君は若い女を追いかけただろう」
「はい、神父さま」
「それなら、人妻の後も追いかけただろう」
「はい、神父さま」
「そして、何人かを堕落させたな」
「だが神父さま、私はここへザンゲにきたんで、女あさりの自慢をしに来たわけじゃないんです」

(155)「思惑は別」
「女房が突然、離婚したいといい出したんだよ。弱ってなぁー」
「そうか、じゃ、僕も一緒に行こう」
「えっ、君が女房によく話して、まるくおさめてくれるのかい」
「いや、僕はさっそく、君の奥さんに結婚を申し込もうと思うんだ」

(154)「雑音」
「御主人は、絶対に安静が必要です。睡眠薬をおいていきますから」
「先生、いつ病人に飲ませたらよろしいのですか」と、細君は心配げにたずねた。
「病人にあげてはいけません。あなたが飲むのです」

(153)「画廊で」
夜会服を着た女の絵の前で、一人の婦人がいつまでも熱心にみつめていた。
画廊の主人は、いい買い手だと思って、そばによって言った。
「この絵がお気に召しましたか」
「ええ、とても。恐れいりますが」
「六千フランです。奥さま」
だが、婦人は答えた。
「いいえ、私の知りたいのは、この絵のモデルの服を作った仕立屋さんの住所なんですの」

(152)「商売用」
乞食「奥さま。ボロボロの服をお恵み下さい」
婦人「何ですね、見れば新しい服を着てるじゃありませんか?」
乞食「ですが、この服を着てちや商売になりませんので」
(151)「妊娠相手」
村のおかみさんが医者の診察をうけにきた。医者は、診察を終わると言った。
「ご妊娠ですね。もう五ヶ月です」
「まあ、またですか。今度で七人目ですよ」
「旦那さまは全然、用心なさらないと見えますね」
「いいえ、あの人は用心しているんですが・・ほかの人たちがいけないのです」

(150)「うぶ」
玄関の鈴がなった。
「どなた?」
「銀行のものてすが、勧誘にあがりました」
夫人がドアをあけると、中にはいってきた男は、急にナイフを出して、「よお、奥さん、声を出すなよ。こいつは、たった今、人の心臓をさしてきたナイフなんだから」
夫人は血にぬれたナイフを見て、「まあ、銀行って血液銀行の方なの?」

(149)「力マキリ」
おなかの大きい若奥さまに、薬局の主人が話しかけた。
「カマキリのママは、新しく生まれる子供たちのためにパパ・カマキリを食べちやうって話ですよ。奥さまもそうなさったらいかがですか?」
若奥さまは、無邪気に答えた。
「ええ、でもカマキリが食べるのは戸籍上のパパてすの? それとも本当のパパかしら?」

(148)「幻滅」
ある作家のところへ愛読者と称する女の子が面会に来た。よろこんで、迎え入れて、しばらく話しあっていると、少女は突然泣き出した。
さては感銘したのかと作家が思っていると、「あなたは、もっを背が高くて、きれいな方とばかり思っていたんです」

(147)「女心」
ある記者が有名な女優にインタービューした。
「どんなタイプの男性が好きですか?」
彼女は答えた。
「ガッチリしたスポーツ青年」
ところがそれから二ヶ月後に、他の記者が同じ質問をした。
すると彼女は答えた。
「神経質なインテリ青年」

(146)「帽子」
劇場で前の席の婦人が、後ろの席の婦人に言った。
「私の帽子、御迷惑でしようか?」
「いいえ、ちっとも」
すると、後ろの席の婦人の夫が、口をはさんだ。
「迷惑はこっちです。さっきから、それと同じ帽子を買え、買えってせがまれて・・・」

(145)「騒音」
アメリ力でのこと。観光客が街を見物していると、有名な楽器店の片隅に色々な型のピストルが陳列してあった。
観光客は、不思議に思って聞いた。
「楽器とピストルとは全然アンバランスですが、これで売れますか?」
「ええ、かなりね。先に何かの楽器をお売りしますと、必ず二、三日たって、ご近所の方がピストルを買いにいらっしやるのです」

(144)「寄付」
臨終の床で、億万長者が弱々しい声で神父に聞いた。
「神父様、もし、わしがあんたの教会に5万ドルの遺産を寄付したら、わしの魂は救われるじゃろうか」
神父は厳粛な表情で答えた。
「是非、やってみるべきだと思います。保証はできませんが・・・」

(143)「肖像画」
伯爵夫人が画家を呼んだ。
「私の肖像画は、いくらですの?」
「六千フランです。奥さま」
「そう、それじや、五っになる娘のはいくら位ですの?」
「やはり六千フランです」
「まあ、あんなに小さくても?」
「ええ、いくらお小さくても、一枚は一枚ですから」
「では一枚でいいわ。そのかわり、娘を膝に乗せているところをね・・・」

(142)「医者」
「医者がお前に、もし女を追っかけるのをよさなきや、一週間と生きていられまいというが、それは冗談じゃないのかな」
「いや本気だよ。その女ってのが、その細君なんだからね」

(141)「記念日」
夫が一日の仕事に疲れて家に帰ってくると、食堂のテーブルの上に大きなケーキが乗っていた。彼は驚いて、よく考えたが、その日は誰の誕生日でもなかった。しかも、ケーキには五本のロウソクが立ててあった。
「今日は何の記念日だね?」と彼は細君にきいた。
妻君は、答えた。
「最後に買っていただいたドレスの五周年記念日よ!」