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笑話集の書庫にようこそ
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(140)「バス事故」
新聞をみながら、夫が言った。
「昨日のバスの転落事故で十一人、死んだんだって、恐しいことだ」 妻は、そっけなく答えた。
「あら、そのくらいの人数なら、このアパートの人が一晩て作れるわよ、別にどうっていうことないわ」
(139)「真実はいかに」
ハムレット役の俳優に、ある批評家がたずねた。
「シエクスピアの真意はどうなんでしようね。ハムレットはオッフエリアと関係したと解すべきか、どうか」
「作者の意図は知りませんが」と俳優は答えた。「ともかく、私はそうします」
(138)「マス釣り?」
ある晩、細君が夫に言った。
「ねえ、あなた、今年の四月に、男ばかりで、マス釣りに行ったことがあったけね」
「うん、あのときはよく釣れたなあ、あんまり釣れるんで、一週間も長とうりゆうしちやって・・・だけど、どうしてそんなことを思い出したの」
「別に・・・ただね、今日、そのマスの一匹から電話があって、あなたの赤ちゃんが出来たんだって・・・」
(137)「処方せん変更」
病気の百万長者が侍医に言った。
「ねえ、先生、私はもうあなたに診察代を支払いませんよ。その代わり遺言状にあなたの名を書き込んでおきましたからね。私の死後、かなりの金が受け取れます。気にいりましたか?」
「もちろんです。ところで、処方せんをお返し願えませんか。ちよっとばかり処方を変えなきやなりませんので」
(136)「遅すぎる判決」
アメリカの南部でのこと。白人の婦人にキッスした黒人の裁判が行われた。
判事「証人は全部そろっているか。被告は?」
証人の一人「万事オーケーです。黒人はもう首をしめられちゃいましたよ。残っているのは、判決を言い渡すだけです」
(135)「乗車券まかせ」
車掌が乗車券を調べに来た。ある男、ポケットを調べてもみつからない。すると顔なじみの車掌が言った。
「いいんですよ。心配なさらなくても、私はもう一度来ますから、その時に乗車券を見せて下さい。もし見っからなくても別にどうってことありません。些細なこと・・・」
「いや、些細なことあるものか!どうしても見っけ出さなきあ・・でないと俺の行き先がわからんからな」
(134)「体験済み」
記者会見の席で"紳士はブロンドがお好き"と題する本の女流作家が質問をうけた。
「紳士はブロンド(金髪)の女を好むという、あなたの信念は何を根拠にしていますか?」
「個人的経験からですの」と女流作家は答えた。「私は、ブリユネツト(黒髪)なんですのよ!」
(133)「相手は同じ」
女中が妊娠した。それを知って、厳格な奥さんは、冷たく言った。
「これ、ねえや、相手は誰か知らないが、すぐ出て行っておくれ!」
「でも奥さま」と女中は泣きながら言った。「妊娠って、そんなに悪いことですの・・・奥さまだって妊娠なさいますのに」
「それはわけが違います。私のはうちの旦那さまだよ」
「だって奥さま・・・わたくしも」
(132)「名馬?」
三人の男が、名馬ミナクル号を見に来たが金がない。三人は相談した。 まず先頭の男が改札係の前を通る。
「もしもし、どこへ行きます?」
「俺はミナクル号の調教師だ」
次に二番目の男が改札係に言った。
「俺はミナクル号の持ち主だ」
次に三番目の男が、あわてて通りぬけようとした。改札係がたずねた。
「もしもし、あなたは?」
「俺がそのミナクル号だ!」
(131)「父親似」
パリの小学校の先生が、品行の悪い生徒の通信簿に、こう記入した。
<彼は、女の子との交際に時間をかけすぎる。矯正に努力してみる>
生徒の母親は、返事にこう書いた。
<良い方法があったら、お知らせ願います。それを子供の父親に応用したいと思いますので>
(130)「意見の違い?」
裁判官が亭主にたずねた。
「どんな理由で離婚を希望するのかね?」
亭主は答えた。
「へえ、完全な意見の相違でして」
「というと?」
「わしは離婚を希望しているのに、女房が反対していますもんで・・・」
(129)「図々しい客人」
ある男のところへ、田舎の友人が泊りがけで遊びにきた。二日だけと言っておきながら、仲々腰を上げない。
男は思案の上、思い切って友人にそれとなくほのめかすことにした。
「ねえ、君、もう一週間も家をあけているだろう。奥さんも子供も、さみしがってるんじゃないかい」
「君の言う通りだな。じゃ一度、一週間程ここに顔を見せに来るように手紙で言ってやろう」
(128)「ある試験」
試験官「レールが切替えられない単線上を列車が両方から走ってきたら?」
踏切番「赤旗信号をします」
試験官「夜なんだよ、旗なんか見えない」
踏切番「じや、発煙筒をたきます」
試験官「石油もロウソクもないんだよ」
踏切番「ボロや木切れを集めて燃します」
試験官「マッチがないよ」
踏切番「じや、家内を呼びます」
試験官「奥さんを呼んでどうするね?」
踏切番「その衝突転覆の現場を見せます」
(127)「品行方正?」
子供が転校してきて、はじめて学校に行った。家に帰つてくると、母親が心配してたずねた。
「行儀よく、いたずらしないで、おとなしくしていましたか?」
「うん、ママ、僕、教室の隅で一人おとなしく立っていたよ!」
(126)「男のうぬぼれ」
満員バスに二人の女性が乗ってきた。だが、だれ一人席をあける者はいなかった。
一人の女性が言った。
「あそこにいるハンサムな男の方が、私に席をゆずってくれたらねえ」
すると、一度に五人の男が席から立ち上がった。
(125)「一番の危険度」
ある町でのこと。保険会社の社員が、客に保険をすすめた。
「飛行機に乗られますか?」
「いいえ」
「自動車は?」
「いいえ」
「自転車は?」
「いいえ」
「それでは誠にすみません。うちでは、歩行者には保険をかけませんので、何しろ危険率が一番高いもんですから」
(124)「大研究の発表」
大学教授がノミの研究をしていた。ノミを白紙の上に置いて「跳べ!」と号令をかけた。ノミはとんだ。教授はノミの足をもぎ取って、もう一度紙の上に置いて「跣べ!」と号令をかけた。今度は、ノミはとばなかった。
教授は学位論文の中に、こう書き込んだ。
〈実験の結果、ノミの聴覚は足にあり、足をもぎとられると聴力を失うことが判明した>
(123)「秘密の墓場」
秘密を他人に話さずに守ることは、どんなに賢い人でも難しい。で、ある人が賢い人に聞いた。
「あなたはどのようにして、秘密を守っていますか?」
すると賢い人は、答えた。
「私は自分の心を、聞いた秘密の墓場にしているのです」
(122)「効きすぎた精神安定剤」
「この子の頭の中はピストル、黒マスク、殺人、それしかないのです」 精神科医は、子供に薬を処方した。
「1ヶ月してもう一度連れて来なさい。ところで、あなたも息子さんの病気でノイローゼ気味ですから、精神安定剤を処方しておきます」
1ヶ月後、再び母親と子供が来た。
「子供さんの様子はどうですか?」
「何で私が、いちいちそんなことに・・・この子のことはもう全然気にしてません」
(121)「おしゃべりな男」
ある町におしゃべりな男がいた。彼は立て板に水で話まくり、相手に口をはさむ機会を与えなかった。
ある時、この男が隣町の知人を訪ねてきて言った。
「うちの町のAが、あなたの悪口を言っていましたよ」
「そんなことはない!」と知人は叫んだ。
「いや、私はこの耳で聞いたんです」と男も負けずに、声を張りあげた。
「そんなことはない! 第一、お前がいたら、Aは一言も発することができなかったはずだ」