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笑話集の書庫にようこそ
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(120)「電話番号」(最終)
運勢を見てもらった女の子が、何を思ったか、再び占い師のところへもどって、手を差し出した。
「いま観たばかりじやないの?」と占い師が言った。
「ええ.そうよー」と女の子は答えた。「私の手のひらにもう一度、あの背の高いハンサムな金持ちの青年が出るようだったら、もうひと頑張りして、その人の電話番号をつきとめてちょうだい!」
(119)「傷口」
病院へはれ上がった手をした一人の婦人が、かつぎこまれた。
医者は,患者を診察して言った。
「何にかまれたのか判断がつきませんね。馬の歯にしては、小さ過ぎるし、犬にしては大きいし、一体、何にかまれたのです?」
「隣りの女ですの!」
(118)「下宿代?」
青年がまかない(食事)つきの部屋をかりた。彼は、下宿のおばさんに言った。
「前の下宿のおばさんは、私が引っ越すとき涙を流したもんですよ」
「私に限って、そんなことはありませんよ。下宿代は先払いでいただきますからね」
(117)「ドル箱」
有名な医者の息子である若い医者は父親に言った。
「僕はパパが十年も診てきた患者を治すことができます」
父親は、驚いて叫んだ。
「馬鹿な! いいかい、よくおきき。あの女患者はドル箱なんだよ。あの人のお金でお前は学校へ 通い、そして医者になれたんだよ!」
(116)「出世以上?」
所長は部下の一人を呼んで言った。
「君は、酒さえ飲まなけれぱ、出世して部長代理になれたんだよ。部長にだってなれただろう。 一体、何を考えているんだい。酒をやめて部長になる気はないかね?」
「ありません!」
「どうしてだね?」
「どうしてですって? 一杯ひっかけた時は、私はいつも社長になった気ですからねえ」
(115)「テスト」
医学部のテストで。
「君だったら、この薬をどれだけ病人に飲ませるかね?」
「大さじ一杯!」
「有難う、行ってよろしい」
学生は部屋を出た。途中で自分のミスに気づき、すぐ教室にもどった。
「すみません・・間違いました。その薬を三滴だけ飲ませます」
「うーん、だが、手遅れです。君の患者はとっくにあの世行きです」
(114)「もう一人は誰?」
ある小さな都市で、選挙が行われた。
一人の市民が立候補したが、惨敗した。
得票はたったの三票だった。
候補者の妻が、怒って言った。
「ああ、なんてことなのよ!」
「何を怒っているんだい!」
「何よ!あんたはわたしが、お前さんのたった一人の女だって言ってたくせに・・・」
(113)「五年前」
警察へ中年の男がやってきて、妻の失そう届を出した。
「失そう時期は?」
「五年前です」
「五年前だって? それを今ごろになって届けるのかね?」
「それがその・・・・どうしても信じられなかったものですから」
(112)「利ロ者」
マッサージ師が二人の患者をもんでいた。一人は痛くて、大声でわめいていたが、もう一人は、 平然としていた。
「よくまあ辛抱できますね」と一人がもう一人に聞いた。「痛む方の足をもませてなんともない んですか」
「何ですって? 痛む足だって?」と一人が驚いて叫んだ。「いいかね、私はね、痛い方の足をも ませるほど馬鹿じゃないんですよ」
(111)「音楽教育」
サロンで、金持ちのお嬢さんがピアノを弾きながら得意顔に言った。
「私の音楽教育に両親は、五十万もかけてますのよ」
する一人の男が答えた。
「人間が金を費やしても、その代償がこんなにも少ないのには、ただただ驚くばかりです」
(110)「料理の本」
セルフサービス食料品店の女客が万引き事件を起こした。
判事「無実を証明出来るかね」
女客「私がやったのは、読書の影響ですわ」
判事「犯罪読物かね? 」
女客「いいえ、お料理の本です。どのぺージにも、小むぎ粉一キロ取りなさい、砂糖一キロ取り なさい、バターを一キロ取りなさいって書いてありますもの」
(109)「私生児」
通りで男の子が泣いていた。中年の婦人がたずねた。
「どうしたの? 」
「パパがいなくなったの」
「パパがいないから家がわかんないのね? 」
「ううん、ぼくはわかっているよ。だけど、パパはぼくがいないとわからないんだよ」
(108)「盗み」
若い神父たちは、額を寄せて考えた。
彼らは、論争した。神はアダムが眠っている間に無断で肋骨をとってイブを造られたのだ。これ は、"盗み"ではないか?どうして、神が盗みを働いたのだろうか?
すると年長の神父が答えた。
「それは、神が、盗みの結果がろくなことにならないことを教え給うためにやられたのじゃ」
(107)「騒音?」
「ピアノの調律師でございます」
「うちでは頼みませんよ」
「ごもっともで、実は御近所のみなさんからのお頼みでして・・・」
(106)「料理店」
ある料理店で一人の男が高い料理を食べた後で、給仕に言った。
「あなたは、この料理店で一年前に私が一銭も持ちあわせがなかったので犬のように外につまみ 出しましたよ。覚えていますか?」
「それはどうも申し訳のないことをしました・・・・」
「いいんだよ、今度もまた、あなたにご面倒をかけることになりそうですから・・・・」
(105)「生命が一番」
ある有名な芸術家に、友人が言った。
「もし画廊に突然火事が起こって、二っの絵を持ち出さなければならないとしたら、君はどれを 選ぶのか?」
芸術家は即座に答えた。
「二っか、むろん出口の近くにかかっている絵だね」
(104)「ナンバー」
白バイが大通りで自動車を止めた。
「どうしてナンバーをつけないで飛ばすんだね?」
女性の運転手は答えた。
「おお、どうぞご心配なく、ナンバーは空でおぼえてますから」
(103)「力モ」
中年の夫婦が車で町に出かけた。途中の湖に二羽のカモが泳いでいた。
「父ちゃん、あの二羽のカモ。とても仲がよさそうじゃないの。あたし達もああいう風に出来た らいいね」
帰り道。カモはまだ泳いでいた。
「父ちゃん、あのカモは一日中なかよく暮したんだね。あたし達もああできたらいいね」
「おい、よく見ろよ!オスは今朝と同じだが、メスはちがっているぞ」
(102)「見世物」
見世物の口上係が叫んでいた。
「さあさあいらっしゃい。生後一年半の赤ん坊が本を読みます。世界の名作が読めます・・・」
観客が小屋にはいると、赤ん坊が本の前に坐っていた。観客はしぱらくみていたが、誰かが怒 鳴った。
「いいかげんにしろ、姿はみえても声がしないじゃないか」
「はい、この子はね」と係が答えた「読めても喋る方はまだでして」
(101)「手紙」
学生が手紙を使いの者にもたせた。
〈お父さん、僕はこの手紙を書くのを恥ずかしく思います。送金をお願いしなけれぱならない からです〉
再ぴ学生は使いの者を出した。
〈お父さん、自分が恥ずかしくなりました。ひよっとしたことで、先の手紙がとどかなけれぱと 思います〉
父親から、息子への手紙。
〈息子よ、恥ずることはない。お前の使いの者は手紙を落したよ〉