笑話集の書庫にようこそ
(21)から(40)はこちらへ
(61)から(80)はこちらへ
(60)「公休日」
自転車のやせた男が中年の女にぶつかった。女は激しくののしった。
「まあ、まあ、奥さん、落ちついて。考えてみると、今日俺にぶつかった
のは運がよかったんだよ」
「運がよかったですって。何を馬鹿な!」
「本当だよ!、今日は公休日だから自転車だが、ふだんは俺ダンプの運転
をしてるのでね」
(59)「ルーレット」
カジノで1人の婦人が初めてルーレットの前にすわった。1人の男が
親切に説明してやった。
「札を買って、お好きな数字の上に置けばいいのですよ」
「でも、何番がいいのでしようか?」
「そうですね、では、ためしにお年の数をかけてごらんなさい」
婦人はそっと28にかけた。だがルーレットは37で止った。それを見
ると婦人は驚いて気絶してしまった。
(58)「道楽息子」
「うちのせがれは、わしが田畑を抵当に入れてまて、大学にかよわせ
ているというのに、調べてみたら、毎日、女の子をつれて遊び歩いた
り、酒を飲んて暮らしているんじゃよ」
「がっかりなさったてしよう」
「うん、わしは残念で残念でたまらんのだ。わしも、若いときにそう
すれぱよかったと思ってなあ」
(57)「立ち話?」
マンシヨンのドアを誰かが叩いた。細君が立つて行った。そして、
四十五分もたつても戻ってきて、夫に報告した。
「お隣りの奥さんがちよっとお話があるってみえたのよ。とても
おいそぎだというので、家にはおはいりにならなかったの」
(56)「色目」
ある男が友人の一人にこう聞いた。
「君は、馬鹿な女が好きか?」
「とんでもない」
「じや、酒を飲む女は?」
「もちろん嫌いさ」
「料理のできない女は?」
「そんな女には見向きもしないよ」
「そうか、そんなら何故、俺の女房に色目をつかうんだい」
(55)「二人の嘘つき」
二等兵が大佐の所へ来て、女房が家の大掃除で困っているからと帰省
の許可を願い出た。
「そうか、実は先ほど、お前の細君から大掃除はすんだという連絡を
うけたばかりなんだ」
二等兵は敬礼して帰りかけたが、「大佐殿、我が部隊には真実をお
ろそかにする人が二人いるのであります。その一人は自分であります。
自分は、まだ独身てあります」
(54)「紅葉の原因」
風紀係の巡査が、非番の日に坊やを連れて、公園へ散歩に行った。
坊やがまわりの紅葉をながめながらたずねた。
「パパ、木の葉は秋になると、どうして赤くなるの?」
パパはうっかりしていて、こう答えた。
「木の葉はね、夏じゆう見てきたことを、思い出して、恥ずかしくてた
まらないからなんだよ」
(53)「不器用な男」
娘「ママ、彼ったら、あたしがいつまでも返事をしないものだから、すっかり悲観し
て、きのう自殺しかけたのよ」
母「死にはしなかったの?」
娘「ええ、タマがそれたの」
母「そんな人はよしたらいいよ、不器用な男と結婚すると女は一生不便だからね」
(52)「男の意地」
「僕はゆうべ、女房とケンカさ。男には意地ってものがあるからな。夜があけてから、
ついに女房のヤツ、頭を下げて、僕を呼びにきやがったのさ」
「奥さんは、何ていつたんだい」
「朝ご飯の仕度ができたからってベットの下にいる僕を呼びにきたのさ」
(51)「目のつけどころ」
あるバーで、目つきの悪い男が紳士服のモード雑誌を丹念にめくつていた。
そこへスリ仲間の一人がやつてきた。
「こりや、おどろいた。スリの名人が紳士服のモードにご執心とは」
「おかしいか、お前はまだ駄目だな。おれがこの雑誌をみているのは、来年
の春の紳士服のポケットの場所をつきとめておくためなんだ」
(50)「うぶ」
二人の夫人がサロンで喋つていた。
一人がのろけて言った。
「宅の主人は、とてもあたしを愛してくれますの。夜、ねむっている
ときまで、とめどもなく愛の言葉をささやいてくれますの。けれども、
ただ一つ、ちよつと変に思いますのは、あたしの名前とはちがつた名
前であたしを呼びますのよ」
(49)「知性」
息子が組で一番になつた。父親がおおいに鼻を高くして言った。
「あいつは、ぼくの知性をそっりうけついだんだ」
すると、細君が答えた。
「それに違いないわ。だから、あんたは頭が空っぽになつちやったのね!」
(48)「赤ん坊」
ある婦人が友達を訪ねて行つて、抱いている赤ん坊を、ほめそやした。
「本当に可愛いいお坊っちゃんだこと、お父さまにそっくりですね」
相手のママが、あわてて言つた。
「黙って、主人に聞えると大変ですから」
(47)「愛妻家」
夫婦が夜おそく帰ってくると、不意に泥棒があらわれ、ピストルを突
きつけて怒鳴った。
「命か、財布だ!」
すると、夫が妻の方を向いて言った。
「お前、この人と一緒に行けよ! お前は、ぼくの二っとない命なんだ
から」
(46)「招待状」
新婚夫婦の家に、劇場の切符を二枚いれた手紙がついた。同封の紙片
にはただ『ゆつくり楽しんでいらつしゃい』と書いてあった。
二人は、誰がくれたのか劇場に行けば判るものと思って出かけたが、
結局そこでも判らずじまいに、愉快にひとときを過して夜半に帰宅し
た。すると家の中は、空っぽになつていて、玄関に紙片が一通あった。
『誰からの贈りものか、これでお判りですね』
(45)「髪の毛」
細君が子供を産んだ。前の四人の子は赤毛だつたが、今度の子は、黒
い毛だつた。亭主は怒つて言った。
「今度は俺の子じゃないな!」
「いいえ、誓うわ、あんたの子よ」
しかし亭主はそれ以来、一言もロをきかなかった。
一ケ月後、細君は重い病にかかり、亭主を呼んだ。
「今度の子は間違いなくあんたの子よ。だけど、その前の四人は、本
当をいうと、あんたの子じゃないの」
(44)「オウム」
新婚の男に友人がきいた。
「君は独身時代によく喋るオウムを飼っていたが、あれは元気かね?」
「いや、死んだよ」
「死んだ?またどうして?」
「うん、家内がきてから、あいつの喋るすきが全然なくてね。もだえ死んだのさ」
(43)「苦悩」
「坊や、どうして泣いてるの?」
「パパとママが喧嘩してるんだもの」
「そんなにひどい喧嘩かい?」
「ママがパパを、まぬけのろば公め、というと、パパはママを、てぶっちょのブタ公っ
てどなるの」
「たいしたことじゃないよ、そのくらいの喧嘩は」
「だって、ママがブタで、パパがロバなら、ぼくはどうなるの?」
(42)「三人目?」
浮気の現場を見つかった男が夫に言つた。「どうしよう、君の細君はぼくら二人を
同じように愛しているんだが」 夫が言った「仕方がない、あいつに選ばせよう。このピストルをうつから、二人で
死んだふりをしていよう」
ピストルの音がすると、細君は飛び出してきたが、二人が死んでいるのをみると、すぐ
電話をかけた。「あなた、もう私達結婚できるわよ。二人共死んてしまったから」
(41)「亭主関白」
「この問、君の奥さんに聞いたんだが、君は家庭でえらく威張つているそうだね」
「そうさ、小なりといえども一国一城の主、亭主関白は当り前だよ。たとえば、湯をわかせつてどなると、女房の奴、ハイ、と小さくなつてすぐに湯をわかしてくれるんだ」
「その湯を何に使うんだい」
「だつて、この寒さじや、食器を水で洗うのはつらいんじやないか」
<