笑話集の書庫にようこそ
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(40)「ファン・レター」
ある俳優にファン・レターがきた。
「あなたは天才です。あなたの魅力には、私ども弱い女はさからうすべもあり ません。あなたのような男性には百年に一度出会えるか、出会えないくらいで す・・・・・」
俳優は得意になって読んでいたが、次の文句で絶句した。
「鉛筆で書きましたご無礼をお許し下さい。この精神病院では、患者にインク を使用させないのです」
(39)「ミス」
女の先生が一人の生徒の宿題をみて言った。
「一人の人間が、こんなに沢山のミステークができるなんて、とても考えられ ないわ」
すると、その生徒が誇らしげに答えた。
「一人の人間ではないのです。パパもママも手伝ったんです」
(38)「職業意識」
子供達はみんなオモチヤを散らかして遊んでいるのに、その坊やだけは熱心に お人形をかたづけていた。
「まあ、坊や、お利口さんね。いつもお人形を箱の中へ入れてしまっておくの。 そう、フタをきちんとしめて。いい子ね、どこの坊やかしら」
坊やは、まったく無表情である。そばで遊んでいた子供が言った。
「あのね、その子はね、お葬式屋さんの子なの」
(37)「文学少女」
二人の文学少女が仲良く話していた。
「私、天国に行ったら、真っ先にシェイクスピアに会いたいと思いますの」
「でも、はたして天国にいらつしゃるかしら?」
「そのときは、あなたが私の代わりに会って下さらない」
(36)「仲間」
脳病院でのこと。
新米の医者に患者が言った。
「先生の方が、この前の先生より、みんな好きなんです」
医者は少々得意になって聞いた。
「うん、それはどうしてかね」
「だって、先生の方が私達の仲間って感じが、ずっとするんですもの」
(35)「デブとヤセ」
大デブの男が、ある時、やせ細った友人に出会った。
大デブの男「君を見ると、我が国が現在、ききんだと思わざるをえないね」
やせの男「うん、そして、そのききんを君が一人で起こしたと誰もが信じるよ」
(34)「慈悲心」
老婦人「だがね、お前、世の中には慈悲の心に富んだ人も大勢おありだよ」
乞食「奥様、その通りです。ですが、その人たちにはお金がねえです」
(33)「悪夢」
ある紳士が精神科医に言った。
「もう、こういう状態には耐えられません。私の家内は5日前に死んだので すが、それ以来毎晩恐ろしい悪夢をみるのです」
「へええ、どんな夢ですか?」
「家内が死んでいない夢なのです」
(32)「うっぷん」
ある日、恐妻家の主人が料理女に言った。
「家内のおふくろが2週間ばかり泊まりにくるが、これはおふくろの好きな 料理のリストだ」
「はい、わかりました」
「だが、よく言っておくが、このうちの一皿でも作ったら、お前はすぐに首 だぞ」
(31)「酔眼」
酔っぱらった男が友人と一緒に家に帰った。家に着くと男は言った。
「見たまえ、このテーブルは僕んだよ」
「見たまえ、この椅子も僕んだよ」
「ベットがあるだろう。あれも僕んだよ」
「ベットの上に寝ている女がいるだろう。あれが僕の女房さ」
「それから、女房と一緒に寝ている男がいるだろう。あれが僕さ」
(30)「靴下」
「君は婚約を解消されたってね。相手は金持ちの未亡人だという話だった が、喧嘩でもしたのかい」
「うん、大きなヘマをしたんだよ。よせばいいのに靴下に皺(しわ)が寄 っているって注意したのさ」
「そんなこと、たいしたことじゃないじゃないか」
「ところが、彼女は靴下をはいていなかったのさ」
(29)「プロポーズ」
夫「お前はいつか、数人の男にプロポーズされたっていったな」
妻「ええ、そうよ」
夫「チエッ!お前が、お前に一番先にプロポーズした阿呆な野郎と結婚 していてくれたら、俺は随分助かってたと思うよ、全く」
妻「そうしたのよ、あたし」
(28)「考えすぎ」
牧師「その雌牛(めうし)をどこへ連れて行くんだね」
子供「雄牛(おうし)のところへ」
牧師「こんなことは、お父さんにやってもらったらいいのに?」
子供「やつぱり駄目なの。雄牛(おうし)でなけりゃ」
(27)「過去」
結婚25周年を記念して、思い出のホテルに泊まっている夫婦の会話。
夫「何を考えているんだい」
妻「ううん、何でもないの。ただ25年前に、あなたがそうして立っていら した姿を思い出していたの。あの時は、あなたはまるで古代の神様のように 雄々しく見えたわ」
夫「ほう、じゃ、今はどうだい」
妻「古代の遺跡を見ているような感じなの」
(26)「赤ん坊」
3年間、監獄にいた男が、わが家へ帰ってくると、細君が6ヶ月の赤ん坊を 抱いていた。男はそれを見て怒鳴った。
「このガキはお前が産んだのか?」
すると細君が答えた。
「ええ、そうよ。もしあんたが監獄なんかに行かなかったら、この子は立派 にあんたの子になっていたのよ」
(25)「極秘」
海軍士官が海に落ちたが、運よく水兵に助けられた。
そこで、士官がどうお 礼しようかと水兵に尋ねた。
「お礼?・・いりません。ただ、この件に関しては誰にも知られないように 願います。もし、助けたことが仲間に知れたら・・・それこそ、私はみんな に殺されてしまいます」
(24)「地雷」
戦前、アメリカ人が朝鮮のある部落を旅行したとき、ラバに乗った男のあとから、その細君が荷物を持って歩いていた。
理由をきくと「習慣!」と部落の男は答えた。
さて、そのアメリカ人が戦後またその部落を訪れた。
すると今度は、荷物を持った男が細君のあとからついて歩いていた。
不思議に思って尋ねてみると「地雷!」と部落の男が答えた。
(23)「足が悪い?」
老婦人が乞食に言った。
「おお、足が悪いとはお気の毒だね。でも、目が悪くないのは幸せだよ」
乞食は答えた。
「いかにも奥様。目が悪いときにゃ、いつもだまされてばかりいま したからね」
(22)「図々しい」
ある教授は金を持っているくせに、人にあうと金をねだる癖があった。
ある日、彼は友人の一人に出会うと例の癖をだした。
友人が「持ち合わせ がない」と断ると、彼はすましこんで言った。
「じゃ、貸しておいてやるよ」
(21)「事実確認?」
船長が航海日誌に、次のように書いた。
「本日、航海士めいていせり」
これを読んで憤慨した航海士に、船長が言った。
「事実を記しただけだよ」
次の日は、航海士が日誌をつけた。
「本日、船長しらふなり」
これを見て船長は気色ばんだ。しかし航海士は言った。
「事実を書きとめただけですよ」