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(260)「ウイスキー」
サロンに一人の男があわてふためいて駆けこんできて言った。「妙齢の御婦人が隣りの部屋で気が遠くなりました。どなたかウィスキーをお持ちでしようか?」
直ちにウイスキーのビンが差し出された。男は、それをうけとるや、やにわにぐつと大きくひと飲みした。
「有難うございます。おかげで助かりました。実は私は御婦人の気絶をみると気分が悪くなりますもので」

(259)「男と女」
女「あなた、私が年を取っても愛してくださる?」
男「もちろんさ、ほら、げんに今でも愛してるじゃないか」

(258)「職業のテスト」
ある父親は、息子がどういう職業に向いているか知りたいと思った。で、息子の部屋に一冊の聖書と一個のリンゴと一枚の一ドル紙幣を置いておいた。もし子供が聖書を読んでいたら牧師に、リンゴを食べていたら百姓に、お札を手にしていたら銀行家にしようという考えであった。さて息子を見に行くと、息子は聖書を尻に敷き、お札をポケットにしまい込み、リンゴは全部たいらげてしまっていた。父親は、即座に息子を政治家にすることに決めた。

(257)「苦手」
奥様が旦那様と言い争っていた。
「いいわ、そんなにあたしがご不満なら、あたしママのところへ帰りますわ」
しかし、旦那様は少しもあわてず、落ちつきはらっていた。
そこで奥様は、いそいでつけくわえた。
「そして、ママを連れてくるわ」

(256)「店員と夫人」
店員「とても素敵ですよ。その帽子をお着けになりますと、奥様は十歳も若くなりますよ」
夫人「それなら、やめとくわ。家に帰るたびに、十歳も年をとるなんて我慢できないわ」

(255)「毒ヘビ」
二匹の毒ヘビが、散歩に出かけた。
その途中で、一方の毒ヘビがもう一方の毒ヘビに訊いた。
「オレたち、毒もってるの?」
「もちろんさ」
再び、先の毒ヘビが訊いた。
「オレたち、本当に毒もってるの?」
「ああ。オレたちは世界中でも一番の猛毒をもったヘビなんだぜ。 なんでまたそんなこと訊くんだい?」
「なあに、ちょっと舌を噛んじゃってさ」

(254)「過保護」
二十才まで、一言も口をきかなかった青年が、ある時、コーヒーを飲む段になって、いきなり叫んだ。
「このコーヒーには砂糖がはいてないぞ!」
両親は驚いて息子をとりかこんだ。
「お前、口がきけるの!口がきけるなら、なぜもっと早くそういわなかったの」
「だって、今までは何もいうことがなかったんだもの」

(253)「学校に行く理由」
ある早朝のこと、母親が息子を起こすために部屋に入った。
「さあ、起きなさい。学校へ行く時間ですよ」
「母さん、学校になんか行きたくないよ」
「なぜ?理由を言いなさい!」
「生徒たちは僕のこと嫌ってるし、それに先生たちまで僕のこと嫌ってるんだよ」
「そんなの駄目よ。さあ、早く起きて支度しなさい」
「何故、僕が学校に行かなきゃならの?」
「あなたは50歳でしょう。それに、校長先生ですよ!」

(252)「神さまの創造物」
神はまず最初に天と地を造った。次に、海と山を造った。そしてイタリアという国を造った。そして、イタリアには世界一に美しい風景と、世界においしい食べ物と、世界一に過ごしやすい気候を与えた。天使がいった。
「神様、これではあまりにもイタリアが恵まれすぎています」
神はすました顔で答えた「心配しなくていい。人間を多く造っておいたから」

(251)「占いの真実」
一人の男が、占い師に尋ねた。
「俺がどういう人間なのか当ててみな」
「そうですか、それでは……。まず、あなたは三人の子のお父さんです」
「間違いだね」と男は得意そうに言った「俺は四人の子の父親なんだよ」
占い師は静かな声で言い返した。
「それは、あなたがそう思ってるだけですよ」

(250)「やぶへび」
上品な夫人が、私立探偵にたのんで夫を尾行させた。探偵の報告は次の通り。
「今日の午後、御主人はパーマヘ寄り、帽子屋へ寄り、三度喫茶店にはいり、最後にホテルにはいられました」
「そんなことだろうと思っていましたわ。私を裏切っているんだわ」
「いいえ、奥さま、御主人はあなたを尾行していたのです」

(249)「作文」
小学校でのこと。この一週間に起こったことについての作文の時間があった。トムの息子が朗読した。
「先週パパが庭にある井戸に落ちました・・・・」
先生は驚いて尋ねた「それは大変だ。で、もういいの?」
「大丈夫だと思います。助けてくれって叫び声が昨日から聞こえなくなりましたから」

(248)「格式高い」
「窓から叩き出されたそうだが、君は抵抗もせず、黙っていたのかい」
「いや、すぐに中へと引返して、俺は由緒ある出なんだぞとスゴんでやったよ」
「そしたら?・・・」
「今度は、正面玄関から叩き出されたよ」

(247)「ハゲ頭」
はげ頭の紳士「俺の頭は、毛がほとんど無いから割り引きするのが当り前だぜ」
床屋「いえ、旦那の場合には、頭髪を刈る料金じゃなくて、頭髪をさがす料金でございます」

(246)「推理」
名探偵と助手がキャンプに出かけた。
2人は星空の下にテントを張って眠りについた。
真夜中近く、名探偵が助手を起こした。
「君、上を見て一つ君の推理を聞かせてくれ」
助手はちょっと考えてから答えた。「無数の星が見えます」
「そのことから何が分かるかね?」名探偵がまた尋ねた。
助手は答えた「満天の星空ということは、たぶん、明日はよい天気だと思います」
名探偵は言った「馬鹿者。僕たちのテントが盗まれたんだ」

(245)「現在と未来」
南の国へ赴任した日本の商社マンが、怠惰な現地人を見て言った「もうすこし勤勉に働いてはどうか」
すると、現地人は寝そべったまま「あなたどうしてそんなに忙しく働くのか」
「それはお金を稼ぐためだ」
「どうして、お金を稼ぐのか」
「金持ちになったら引退して、妻と一緒にのんびりくらすためさ」
「そんなことなら、今からできるではないか。私たちのように」

(244)「朝帰り」
夫「まだ怒ってるのかい?」
妻「・・・・」
夫「そりや、わかるよ。何しろぼくは朝の四時半に、酔っぱらって、眼のまわりをどすぐろくはらせて帰ってきたんだからね。君が怒るのも当然さ」
妻「あら、あなた覚えていないの。あななは、帰ってきたときには、まだ眼にくまができていなかったのよ」

(243)「別離」
駅で、一組の男女が涙ながらの別れをおしんでいた。やがて汽車は出て行き、女は残った。
それをみていた老婦人が、若い女に声をかけた。
「あなたのお気持は、私にもよく分かります。私も若い頃、夫と別れて暮らすときには悲しくて・・・」
「いいえ、とんでもございませんわ」とその女性は憤然として答えた。「あたしは、夫の所へ帰るのが悲しくて、泣いていたんですよ!」

(242)「本人確認」
派手に着飾った若い女性が銀行に来て、金を引き出そうとした。
「本人に間違いありませんね?」と銀行員が問いただした。
若い女はハンドバッグを開き、鏡を出して覗きこんで言った。
「ええ、私に間違いありませんわ」

(241)「葬式に出席」
訪問客「こちらでサムという男が働いているはずですが、ちょっと面会させて頂けませんか? 私は彼の祖母ですが」
受付嬢「お気の毒ですが、今日は欠勤です。あなたのお葬式に出ていますよ」