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(220)「手術」
若い外科医が手術台に近づいてきた。女の患者は、とても心配していた。
「どうぞ気を落ちつけて下さい」
「だって先生、生まれて始めての手術ですもの」
「わかります。わかります」と外科医はうなずいた。「だがね、この私をみならいなさい。私だって、これが始めての手術だというのに、ちっともふるえてなんかいませんよ」

(219)「スピード」
アメリカの生活のテンポは、まことに早い。その実例を一つ。
牧師のところヘ二人の若い男女がやってきて、すぐ結婚させてくれと頼んだ。
式のあと新婚の二人は帰宅したが、五時間後には、もう男の子が生まれた。
「僕は、この子に自分の名をつけてやりたいね」
「賛成よ! ところで、あんたの名はなんていうの?」

(218)「結婚後」
「君は結婚してもちっとも変らないな。相変らず底なしに飲んでいるね」
「うん、だけど、元は楽しみに飲み、今はヤケでね・・・」

(217)「女中」
細君が主人に言った。
「あなた、今朝ね、女中があたしの部屋へ来て、どうも妊娠したらしいが、どうしたらいいでしょうか、って、相談をしにきたのよ」
それを聞くと、御主人はとびあがって叫んだ。
「それは大げさだ。まだ三日しかたってないのに、妊娠とわかるはずがない」

(216)「真珠」
お客「君の源氏名は何という名かね」
ホステス「真珠と申します。どうかよろしく」
お客「ほほう、高価なる真珠という意味だね」
ホステス「いいえ、豚に投げたる真珠でございます」

(215)「パリ」
「なんだい、君は花の都のパリへ行くのに、細君を連れていかないのかい」
「馬鹿いえ、それじや、君は宴会に行くとき、弁当を持って行くかい」

(214)「避難所」
一人の男が血相をかえて、警察へ飛びこんできた。
「早く私を牢屋へ入れて下さい」
「どうしたんだ?」
「我慢ができなくて、家内にピストルをぶっぱなしたのです」
「殺したのか?」
「いいえ、タマがはずれたのです。だから、牢屋にかくまって欲しいのです」

(213)「親子」
ある晩、不意に息子がパパにきいた。
「ねえ、パパ、ぼくがパパの子だって証明できるの?」
「うん、簡単さ。ぼくら二人はよく似てるだろう。それが証拠だよ」
「そうかい。でも、そうするとぼくが大きくなって子供ができても、ぼくの子だか、パパの子だかわからないことになるね」

(212)「ヒステリー」
ある男が言った。
「うちの女房はヒステリーがひどくて困るよ」
友人が答えて言った。
「なあに、女房にいってやるんだな。ヒステリーが起きるのは、年のせいだよ!って」

(211)「不満」
「ねえ、ママ、私に按吻したのは、まだ夫だけなのよ」
「おや、そうかい。で、お前、それ自慢なの?それとも不満なの?」

(210)「女心」
酒場で。
「どんな花嫁が、いちばん幸福だろうか?」
「何に、女ってヤツは、自分の好きな男と一緒になるのが一番だろうが、もっと幸福に感じるのは、他の女が結婚したがっている男と結婚することさ」

(209)「ビフテキ」
客「このビフテキ三百フランと三百五十フランは、どう達うのですか?」
給仕「別にそれほど違いません」
客「目方が重いんですか、それとも肉がやわらかいのですか?」
給仕「いえ、どちらも目方は同じですし、肉もかわりません」
客「じや、何ぜ値段が違うのです」
給仕「それはですね、値段の高い方には、よく切れるナイフがついているのです」

(208)「浮気心」
ある哲学者が質問を受けた。
「どんな女が浮気しないのでしょうか? ブリユネツト(黒髪)の女でしようか、それともブロンド(金髪)の女でしようか?」
哲学者は、答えた。
「白髪の女だよ」

(207)「獣医」
農夫が馬をつれ獣医の所へ来た。
「先生、この怠け者ったら、てんで働こうといないんで・・・」
獣医は馬に注射した。二分もすると馬は荒々しく野原にかけて行った。
「いくらですか」
「五ドルです」
「先生、では十ドル受け取ってください。この私にも注射をたのみます」
「どうして?」
「あの馬に追いつけるようにね」

(206)「写真」
恋愛中の息子から、父親に手紙が来た。
「拝啓、お父様。十ドル送って下さい。僕と彼女が一緒に写っている写真を送ります」
父親は、返事を書いて送った。
「五ドル送ります。女の子の写真を送って下さい。お前なんか見なくたってわかつているよ」

(205)「讃辞」
自作の劇がパリで公演された。初日のあとで劇作家は、主役を演じた女優に次のような電報を送った。
「すばらしい、素敵だ。並々ならぬ神々しさだ」
興奮した女優はすぐ返事を打った。
「かいかぶっていらつしやいます」
劇作家から、電報がとどいた。
「私の言ってるのは劇のことです」
女優は、返事を出した。
「私もそうよ!」

(204)「ピストル」
中年の婦人が銃砲店に来て、ピストルが欲しいと言った。
「何型ですか?」
「丈夫で、長持ちするのがいいわ」
「護身用になさるんですか?」
「とんでもない! 護身用には、いま弁護士を雇ってきたばかりよ」

(203)「素敵なダンス」
ある初老の男、パリで興業中のピチピチした美女達のダンスをみて、深いためいきをついた。
「ああ、もう二十才年をとっていたらなあー」
「二十才若かったらなあと言いたいのではありませんか?」
「いや、二十才老いこんでいたらですよ。こんなにエキサイトせずに、静かに寝れたものを・・・」

(202)「大事なコック」
有名な医者が友人と街を歩いていた。急に彼は前方から来た貧相な男に、親し気に近づいていってあいさつした。
友人は、不思議に思って聞いた。 「知り合いかい、いやに親しそうだったが・・・」 「あの男は、わしに五万フランもかせがせてくれたんだよ」
「成金患者ってわけかい」
「いや、成金女患者のおかかえコックなんだよ」

(201)「紳士」
アメリカの高名な教授に、あるキザな英国人が言った。
「英国では、自分のクツをみがく紳士はいません」
「ほーう、じや、あなた方は一体、どなた(誰れ)のクツをみがくのですか?」