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「忘備録(名言・諺等)」の目次はこちら

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名言・ことわざ・雑文・エトセトラ全集(37)


◎食べるために生きるな。生きるために食べよ・・・イギリスの諺

◎「女ごころ」
「ホーマー物語」を読んで少年シュリーマン(ドイツの考古学者。幼少時に読んだホメロスの詩を史実と信じ、独力でトロイの遺跡を発掘)は「大人になったらトロイを見つけるんだ」といって友達に笑われたが、ミンナという少女だけが「私も一緒に行くわ」と励ましてくれた。しかし、のちに、トロイ発掘を実行することになって、ミンナに誘いの手紙を出すと、もう結婚していた。

◎黙らせたからといって、意見を変えさせたわけではない・・・バーナード・ショウ

◎「ひもの」 ギリシャの哲学者ソクラテスの熱烈な心酔者のカイレポンは、色が黒ずんでいたので「こうもり」とあだ名された。その上、今にも飢え死にしそうなやせ方であった。「ソクラテスに学べば、カイレポンのような人になれますよ」といわれたある父親はビックリして「大事な息子を骨と皮ばかりにさせられるものか」

◎愛は死よりも強く、死の恐怖より強い・・・ツルゲーネフ

◎この世で成功するためには二つの道しかあるまい。一つは、自分の勤勉によるもの。もう一つは、他人の愚かさによるもの・・・ラ・ブリュイエール

◎君、時というものは、それぞれの人間によって、それぞれの速さで走るものなのだよ・・・シェークスピア

◎人間は、考えることが少ないほど余計に喋る・・・モンテスキュー

◎あちこち旅をしてまわっても無駄だ。自分自身から逃れられるものではない・・・ヘミングウェイ

◎人間は恋と革命のために生まれてきたのだ・・・太宰治

◎「巫女(みこ)」(芥川龍之介=日光小品より)
年をとった巫女が白い衣に緋(ひ)の袴(はかま)をはいて御簾(みす)の陰にさびしそうにひとりですわっているのを見た。そうして私もなんとなくさびしくなった。
時雨(しぐれ)もよいの夕に春日の森で若い二人の巫女にあったことがある。二人とも十二、三でやはり緋の袴に白い衣をきて白粉(おしろい)をつけていた。小暗い杉の下かげには落葉をたく煙がほの白く上って、しっとりと湿った森の大気は木精のささやきも聞えそうな言いがたいしずけさを漂わせた。そのもの静かな森の路をもの静かにゆきちがった、若い、いや幼い巫女の後ろ姿はどんなにか私にめずらしく覚えたろう。私はほほえみながら何度も後ろをふりかえった。
けれども今、冷やかな山懐の気が肌(はだ)寒く迫ってくる社(やしろ)の片かげに寂然とすわっている老年(としより)の巫女を見ては、そぞろにかなしさを覚えずにはいられない。私は、一生を神にささげた巫女の生涯(しょうがい)のさびしさが、なんとなく私の心をひきつけるような気がした。

◎バッカス(酒の神)はネプチューン(海の神=ポセイドン)よりも多くのものを溺死させた・・・ローマの諺

◎青年にすすめたいことは、ただ三語につきる。すなわち働け、もっと働け、あくまで働け・・・ビスマルク

◎友とするに不適当なもの七つ。
第一に高貴な人、第二に若い人、第三に無病で健康な人、第四に酒好きな人、第五に勇敢な人、第六に嘘をつく人、第七に欲の深い人。
次に友とするに適当なもの三つ。
第一に物をくれる人(無欲の人)、第二に医者、第三に知恵のある人・・・兼好法師

◎(悪魔の辞典(A・ビアス)より。その7-1)
(66)「美しさ」・・・女性が恋人を魅了し、夫を怖がらせるために用いる力。

(67)「友達を作る・助ける」・・・忘恩の徒を育てる。

(68)「乞う」・・・絶対、貰えるわけがないという信念と釣り合うくらいの熱心さで何かを求めること。

(69)「乞食」・・・友人たちの援助にすがって暮らしてきた人。

父さん いったいあれは誰なの?
坊やあれは乞食なのだよ
痩せこけ 不機嫌 不愛想で つまりは乱暴な奴なのさ
独房の鉄棒ごしににらみめっけるあの目つきを見てごらん
あれも人の子 ものもらい
この世はすべてままならぬ
父さん あの人 なぜあそこに入れられたの
その訳はねえ
胃袋に逆らえず 法律に逆らったからさ
胃袋だって
ああ つまり腹ペコなんだよ ねえ坊や・・・
本当の身の上は悲しきことのみ多かりき
くる日もくる日も ただ一口の食物にもありつけず とうとう彼は叫んだのさ
身につけるものさしてなく 売る品とてもあらざりき
もの乞いするのは不法で しかも不穏当なことなのだよ
どうして働かなかったの?
彼だって本当は働きたかったのだよ
でも町の人は「出てうせろ」といったし 役人も「退去せよ」と命じたのだよ
こんなできごと話すのも 彼が示した腹いせはひどく下劣であったことを 坊やにわかってもらいたいからだよ
腹いせなんて せいぜいスー族のやりそうなことさ
しかもくだらぬことのためにさ
ねえねえ悪い「乞食」はなにしたの?
乏しさをおぎない 背にくっついた胃袋を押し出すために
パンをふたきれ 盗んだのさ
それだけなの ねえ父さん
まあ そんなところだな
彼は牢屋に入れられて、それからーーええっと この世の中でわしらが自慢するよりも
もっとすばらしい仲間のもとに送られて行くのがその身の定めそしてそこには----
困った人にあげるパンがあるんだ ねえ父さん?
うんうん あるとも 焼パン(トースト)がね(アトカ・ミップ)

(70)「行動」・・・主義ではなく、育ちによって決定される行為。賛美歌「最後の審判に日」の次にかかげる数行をジャムラック・ホロボム博士が翻訳されたとき、この語の用い方がやや曖昧であると思われる。

思い出し給え やさしきイエス様
托身(肉をまとう=キリスト)あそばせしを
その日 われを見捨てることなく
忘れ給うな イエス様
主を死に追いやりし 心なき手は誰がものぞ
許し給え その振舞い

◎自分の考えたとおりに生きなければならない。そうでないと、自分が生きたとおりに考えてしまう・・・ブールジュ

◎牛乳を飲む人よりも、牛乳を配達する人のほうが健康である・・・ヨーロッパの諺

◎今から一年も経てば、私の現在の悩みなど、およそくだらないものに見えることだろう・・・サミュエル・ジョンソン

◎掃けば散り 払えばまたも ちりつもる 人の心も 庭の落ち葉も・・・道歌(宗教的、道徳的な教訓をよみこんだ和歌)

◎「一休和尚の遺言」
一休和尚は、室町時代の臨済宗の和尚で、80歳のときに、応仁の乱で焼失した大徳寺の復興に取り組み、後に住職となり、88歳で亡くなった。その一休和尚が臨終のとき「この遺言状は、将来、当寺に大きな問題が生じたときに開けよ」と言い残して息を引き取った。そして百年後、大徳寺の存亡にかかわる大問題が発生した。寺の人々は一休和尚の遺言を思い出し、遺言状を開けてみた。すると、そこには次のように書いてあった。
「ナルヨウニナル、シンパイスルナ」

◎少年よ,大志をいだけ。
しかし,金を求める大志であってはならない。
利己心を強める大志であってはならない。
名声という,つかの間のものを求める大志であってはならない。
人間としてあるべきすべてのものを求める大志を抱きたまえ。(クラーク博士)
(参考)「大志を抱け。ただし、富や権力、あるいは、名誉というあのはかないものを求める大志ではない。人のあるべき姿に至ろうとする大志を」

◎外より 来る盗人に 限りあり 限りの知れぬ 内の盗人・・・道歌

◎「粋な孔子」
「花がひらひら散っている。恋しい人をいとしく思えども、なにしろ家がちと遠い」という民謡を、お堅い儒学者・孔子は評して言った「こんなことでは惚れようが足りぬ。惚れて通えば千里も一里じゃ」

◎天も地も 仏も鬼も 我も人も これこの心 ひとつなりけり・・・道歌

◎「はったり用」
紀元前五世紀の有名な弁論家・リュシアスは、ある時、弁護人に頼まれて、法廷の弁護演説を書いて与えた。するとその弁護人は「貴方にいただいた原稿を初め読んだ時には素晴らしいと思ったんですが、二度三度くり返して読んでると物足らないのですが、もう少しなんとかならないでしょうか?」といった。リュシアスは笑って答えた。「それでこそ結構じゃないか。君は裁判官の前では一度しゃべるだけなのだから」

◎朝夕に 顔と手足を 洗うなら 心のあかも すすぐなり・・・道歌

◎色黒く 顔のあしきは 生まれつき 直せば直る 心直せよ・・・道歌(宗教的、道徳的な教訓をよみこんだ和歌)

◎「無駄な殺し合い」
アフリカにキリスト教の伝道に行ったシュヴァイツァー博士が、ヨーロッバで戦争が起きたことを土人達に告げた。すると食人種の一老人が聞いた「十人位殺されるのかね」。シュヴァイツァーが「いや数え切れぬくらい沢山だ」と答えた。 すると「白人は死人を食わないくせに、なんちゅう無駄をするのだ」と言った。