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名言・ことわざ・雑文・エトセトラ全集(36)


◎世の中は 棚のダルマに さも似たり 起きては転び 転びては起き ・・・道歌(宗教的、道徳的な教訓をよみこんだ和歌)

◎心こそ 心迷わす 心なれ 心にこころ 心許すな・・・道歌

◎手や足の 汚れは常に 洗えども 心の垢を 洗う人なし・・・道歌

◎世の中は 持ちつ持たれつ 立つ身なり 人という字を 見るにつけても・・・道歌(宗教的、道徳的な教訓をよみこんだ和歌)

◎家では英雄、外では臆病者・・・ドイツの諺

◎「箱入娘」
「やわ肌のあつき血汐に…」と官能と情熱をうたう詩を書いた明治の女流詩人・与謝野晶子は、ハイカラで外交的な女性と思われるが、その実、堺の旧家に生まれ、結婚するまでは学校へ行く以外には家から出たこともなく、寝室には毎夜、両親が錠を降すというまったくの箱入娘だった。

◎(悪魔の辞典(A・ビアス)より。その7)
(61)「兵営」・・・兵隊たちが、他者から略奪するという己の職務から得たものを山分けする家。

(62)「バシリスク(ギリシア神話に登場。アフリカ砂漠に生息。蛇、トカゲ、竜ともいわれる。眼光や呼気によって人を殺すという、伝説上の生物)」・・・バジリスクは邪眼の持ち主で、その一睨みは命に関わるものだ。不信心者の多くはこの生物の存在を否定しているが、センプレロ・オーレイターは、ジュピターの愛人となった貴婦人を一瞥のもとに殺害した罰として、稲妻に打たれて盲目にされた一匹を目撃し、手に触れている。のちにジュノーがその爬虫類の目をもとどおりしてやり、洞窟にかくまった。バシリスクの存在ほど古代人によりしかと確かめられたものはない。しかし以来、雄鳥は卵を生まなくなってしまった。

(63)「入浴」・・・宗教的な礼拝にとって代わる神秘的な儀式の一種。魂についての効果のほどは、いまだにしかと確定されていない。

男一人、蒸し風呂にありて
その身の皮をはがされり
まっ赤っかに茹で上がりしゆえに
清らかさと結ばれたりと思えども
肺は汚れておらぬかな
沸きかえるあの汚き湯煙にて(リチャード・グウォウ)

(64)「戦闘」・・・舌先三寸では、どうにも丸め込めぬ政治的もつれを歯でもってほどいてみせる方法。

(65)「顎(あご)ひげ」・・・頭をつるつる坊主にする中国人の風習は馬鹿げており、それを忌み嫌う人がいるのは当然のことだが、そうした人たちがたいていは切り落としてしまう毛のこと。

◎忍耐という花は、誰の庭にも咲くわけではない・・・イギリスの諺

◎臆病は虎は吠えたけり、臆病な人間は怒り狂う・・・ビルマ(ミャンマー)の諺

◎大きな損をした後でも、探せば必ず小さな得が残っている・・・アメリカの諺

◎危険から離れたところでは、すべての者が勇敢だ・・・イタリアの諺

◎一粒の麦、地に落ちて死なずば、ただ一つにてあらん。もし死なずば、多くの果を結ぶべし・・・聖書

◎一時間、正義が行われることは、七十年の祈りよりも価値がある・・・トルコの諺

◎誰もが同じ考え方をするのは理想的なことではない・・・マークトウェイン

◎「全部貰う」
スパルタの将軍リュサソドロスはシラクサ国の王のところへ大使として遣わされた。リュサソドロスの帰国に際し、王は美しい服を二着出して「どちらでも、みやげ良いほうを娘御の土産にされよ」といった。すると将軍は二枚ともさっさとしまい込んでいった。「女の着物を選ぶのに私は馴れておりません。娘に自分で選ばせましょう」

◎報酬をあてにした親切は、親切ではない・・・中国の諺

◎安定は恋を殺し、不安は恋をかきたてる・・・マルセル・ブルースト

◎死がなければ、生を重んじるものはいないだろう・・・ポスハルト

◎不幸な人間は、いつも自分が不幸であるということを自慢しているものです・・・ラッセル

◎猫の夢には、ねずみが踊る・・・インドの諺

◎「無い手」
作家の夏目漱石は講義中片手をふところに入れている学生に「君、手を出し給え」といった。その学生は言い逃れるために「先生、出したいが手がないのです」と答えた。すると漱石は「わたしだって無い知恵を出して、無理して講義しているんだから、無い手だって出したまえ」と言った。

◎人のために何かをすることで、誰もが素晴らしい人になれます・・・キング牧師

◎雨だれ石をも穿つ・・・文選

◎「内容無し」
ある若い作曲家が大作曲家のブラームスのところへ、新作を持って来て、批評を願った。やがて楽譜を見終わったプラームスは言った「この五線紙は大変素晴らしいが、一体どこで買ったんだね」

◎恋は最も変わりやすいと同時に最も破壊しにくい不思議な感情である・・・アンリ・ド・レニエ

◎四十歳は青春の老年であり、五十歳は老年の青春である・・・西洋の諺

◎嫉妬は千の目を持っている。しかし一つも正しく見ない・・・ユダヤの諺

◎男がどんな理屈を並べても、女の涙一滴にはかなわない・・・ボルテール

◎欲しいと思うものを買うな。必要なものだけ買え・・・カトー

◎家は中に住むために建てるのであって、外から見るためではない・・・ベーコン

◎恋のチャンスは、熟れている時にもがなければならない果物のようだ。一度地から落ちたら二度とチャンスはないだろう・・・ヴァレーヌ

◎腐敗した社会には、多くの法律がある・・・サミュエル・ジョンソン

◎人類はいまだかつて宗教なしに生きてこなかったし、また生きて行けない・・・トルストイ

◎恋は、それが秘密でなくなるとともに、楽しみでなくなってしまう・・・ アラフ・ベーン

◎盗むチャンスの無い泥棒は自分を正直者だと思っている・・・ユダヤ諺

◎水を澄ませば月を映し、木を植ゆれば鳥を棲ましむ・・・日蓮

◎志をたてるのに遅すぎるということは無い・・・ボールドウィン
※「大草原の小さな家」を書いたローラ・インガルス・ワイルダーは、65才になって初めて小説を書き始めた。

◎民衆は上からではなく、下から更新される。無名の人達の中から出現する天才こそ、人民の若さと精力を更新する天才だ・・・ウッドロ・ウィルソン

◎一番多忙な人間が一番多くの時間をもつ・・・アレクサンドル・ビネ

◎恋にとどめを刺すあらゆる手段の中で、最も確かなのはその恋を満足させることである・・・マリヴォー

◎信頼とは鏡のガラスのようなものだ。ひびがはいったらもう元に戻すことはできない・・・アミアン

◎人生は教訓に満ちている。しかし万人にあてはまる教訓は一つもない。殺すな、盗むなという原則でさえ絶対ではないのだ・・・山本周五郎

◎やたらに忙しいというのはどんなもんでしょう。「忙」という字は「心が亡びる」と書きます・・・高田好胤

◎すべての不幸は未来への踏み台にすぎない・・・ソロー

◎愛してもその悪を知り、憎みてもその善を知る・・・礼記(らいき)

◎失敗とは転ぶことではなく、そのまま起き上がらないことなのです・・・メアリー ピックフォード

◎絶望は死にいたる病・・・キルケゴール

◎国を建てるには千年の歳月でも足りない。だが、それを地に倒すのは一瞬で充分である・・・バイロン

◎人間は罪を造らずに、生きてゆく事はできない・・・倉田百三

◎嫉妬は恋の姉妹である。悪魔が天使の兄弟であるように・・・ブーフレール

◎組織の中では、しばしば、罪があって排斥されるのではなく、排斥する気があってから罪が作られるのだ・・埴谷雄高

◎新しい親切も古い侮辱を帳消しにはしない・・・マキャベリ

◎もしも人間の価値がその仕事で決まるならば、馬はどんな人間よりも価値があるはずだ。馬はよく働くし、第一、文句を言わない・・・ゴーリキー

◎同じ花から密蜂は蜂蜜を作り出し、毒蛇は毒液を作り出す・・・ユダヤの諺

◎人は軽蔑されたと感じたときに最もよく怒る。だから自信のあるものはあまり怒らない・・・三木清

◎成事は説かず、遂事は諌(いさ)めず、既往は咎(とが)めず(できてしまったことはとやかく言うまい、やってしまったことは諌(いさ)めまい、過ぎてしまったことは咎(とが)めまい)・・・論語

◎服装は時には君に代わってものを言う・・・キングスレイウォード

◎人、遠き慮(おもんぱかり)なければ、必ず近き憂いあり(遠い将来まで見通して考えない人は、必ず急な心配ごとに悩むものだ)・・・孔子

◎人は、運命を避けようとしてとった道で、しばしば運命にであう・・・ラ・フォンテーヌ

◎恋は最も変わりやすいと同時に最も破壊しにくい不思議な感情である・・・アンリ・ド・レニエ

◎ロバが旅に出かけたところで馬になって帰ってくるわけではない・・・西洋の諺

◎知らざるを知らずとなす。これ知るなり(知っていることは知っていると認め、知らないことは知らないと認める。それが真の知識というものだ)・・・論語

◎他の人に一生懸命サービスする人が、最も利益を得る人間である・・・カーネル・サンダース

◎後生(こうせい)畏(おそ)るべし。焉(いずく)んぞ来者(らいしゃ)の今に如かざるを知らんや。四十五十にして聞こゆること無くんば、斯(こ)れ亦た畏るるに足らざるのみ(若者はおそるべき存在だ。彼らが今の我々ほどになれないなどと誰が言えるだろう。ただし、四十歳や五十歳になっても世間に知られないようなら、恐れるに足らない)・・・論語

◎知らざるを知らずとなす。これ知るなり(知っていることは知っていると認め、知らないことは知らないと認める。それが真の知識というものだ)・・・論語

◎利に放(よ)りて行えば、怨み多し(利益ばかり求めるような行動をしていると、怨みを招くことが多い)・・・論語

◎益者三友(自分の利益になる三種の友だち。正直な人、誠実な人、そして多くの見聞がある人)・・・論語

◎孔子が言った「顔回という弟子と一日中話をしていても、彼はまったく素直で何も言わない。周りから見れば、顔回は愚鈍だと思えるかもしれない。ところが、彼が私の前から退いて一人になったときの様をよく見ていると、私が話したことにヒントを得て、自分なりに思い当たるふるまいをしている。顔回は決して愚かな男ではなく、大した人物である」
(参考)
顔回・・・孔門十哲の第一。貧家に生まれたが、学問を好み孔子に重んじられた。早逝し、孔子を嘆かせた。

◎男は目で恋をし、女は耳で恋に落ちる・・・ワイアット

◎酒は何も発明しない。ただ秘密をしゃべるだけである・・・シラー

◎君子に三戒(さんかい)あり(君子といわれるほどの者は、血気の定まらぬ若いときには色欲を戒め、血気盛んな壮年の時代には人との争いを戒め、血気が衰える年寄りになってからは欲深にならないように戒めなくてはならない)・・・論語

◎過ちを改めざるこれを過ちという(過ちは仕方のないこと。過ちをおかしても改めようとしないことこそ、真の過ちである)・・・論語

◎人の己(おの)れを知らざることを患(うれ)えず、人を知らざることを患う(他人が自分の真価を知らないことを気にするより、自分が人の才能や力量を知らないことをこそ憂うべきだ)・・・論語

◎子貢が孔子に言った。「ここに美しい玉があるとします。箱に入れてしまい込んでおくべきでしょうか。それともよい買い手をさがして売ってしまいましょうか?」孔子は答えた。「売るとも、売るとも。だけど、同じ売るにしても、私は買い手をさがすのではなく待ち続けるよ」
(参考)
子貢・・・孔門十哲の一人。弁舌・政治力にすぐれていた。

◎極楽は西にもあらず東にも、北みち(来た道)さがせ南(皆身)にぞある・・・仏教本より

◎悪意は癒(いや)しがたく、善意は子供のうちに死んでしまう・・・ケストナー

◎私達はいわば二回この世に生まれる。一回目は存在するために、二回目は生きるために・・・ルソー

◎善行は砂に書かれる。悪行は岩に彫りつけられる・・・ポーランドの諺

◎匹夫(ひっぷ)も志を奪うべからず(身分の低い男でも志が堅固ならば、誰もそれを奪うことはできない)・・・論語

◎善を行うも隣人はそれを知らず、悪を行えば百里の遠くにも知られる・・・中国の諺

◎十年善行をなしても十分ではない。悪行は一日でも多すぎる・・・中国の諺

◎君に金がない理由を教えてやろうか。それは君が金だけをひたすら愛さないからさ。金というものはね、何もかも愛するような浮気者には身をまかせないものさ・・・フィンリー・ダン

◎(愛情の)ランプを灯しつづけるには、油を絶やしてはなりません・・・マザー・テレサ

◎金が支配するところでは、悪徳がはびこる・・・イギリスの諺

◎マッリカーとい女性がお釈迦様に尋ねた。「同じ人間として生まれながら、醜い人もいれば美しい人もいるのはどうしてでしょうか?」お釈迦様は彼女に答えた。「怒りやすい人は顔が醜くなる。柔和な心の人は美しくなる」

◎子路が孔子に訊いた。「先生がもし大軍を率いて指揮なさるとしたら、誰と一緒になさいますか?」孔子は言った。「私は、トラに素手で立ち向かったり河を歩いて渡ったりして、死ぬのを恐れないような無鉄砲な男とは一緒にやらない。どうしてもと言うなら、事にあたって慎重で、よく計画を練った上で実行するような人物と組むね」
(参考)
子路・・・孔門十哲の一人。勇を好み、孔子に献身的に師事した。

◎マザー・テレサは、あるインタビューのなかで、「そんなに働かれて、苦しくはありませんか」と聞かれて、「いいえ、私は、私のために苦しんでくださっている、病人のなかの神様にお仕えしているだけです」と・・・マザー・テレサ

◎愛情のない仕事をするのなら、奴隷と少しも変わりません・・・マザー・テレサ

◎金は天下のまわりものだ。いつもこちらをよけてまわるのが気にくわないが・・・ツルゲーネフ

◎(悪魔の辞典(A・ビアス)より。その6)
(51)「競売人」・・・舌先三寸で他人の懐中ものをかすめとったことを、木槌(ハンマー)でもって宣告する人。

(52)「オーストラリア」・・・南洋に浮かぶ国。産業と商業の発達がお話にならないくらい遅れているが、その原因は、地理学者どもによるオーストラリアは島か大陸かという嘆かわしい議論のせいである。

(53)「アバーナス湖」・・・古代人たちが地獄への入り口とした湖水。地獄に繋がっているという事実が得られたのは、博識なマーカス・アンセロ・スクルーテイターが、湖とはキリスト教の全身浸礼による洗礼儀式をほのめかすものだと信じていたためだ。さりながらこれは、ラクタンティアスにより誤りであることが指摘されている。

地獄へ落ちることはやすしとは
かの詩人の言葉なり
その真意はかくのごとし
人が落ち目になるときは
金よりパンチが振りかかる、とさ(シャホール・ダイ・リューブ)

(54)「赤ん坊」・・・特定の年齢・性別・身分不詳の異形の生命体。それ自体は、別段、感情も感動もないが、他の人間どもの心に、熱烈なる愛情の念をかきたてずにはおかないところが、おもな特徴である。有名な赤ん坊もいる。たとえば幼きモーゼしかり。彼の葦の茂みでの冒険から、それより7百年もさかのぼる古代エジプトの司祭たちが、水蓮の葉の上で、生命を長らえた幼きオシリス(古代エジプトの主神の一人)の愚にもつかぬ話をでっちあげたのはまぎれもない事実である。

赤子をでっちあげるその前は
女子はみんな満足よ
今じゃ男は苦しむばかり
とうとう赤子を買うために
あり金はたく始末なり
それでつらつらおもんばかりゃ
「赤子一世」ワシ ハゲタカの餌よ
そんならそのほうがおめでたや(ロ・エミール)

(55)「酒神(バッカス)」(ギリシア神話に登場する酒の神)・・・古代人が酔っ払うための口実としてこしらえた便利な神さま。

バッカス詣(もう)でに憂き身をやつしゃ
リクトル(古代ローマの警官)われらの身を縛り、まなじり決してぶっ叩くとなりゃ、庶民の神だのみ、はたして罪になるものか?(ジョレース)

(56)「背中」・・・自分が落ち目になったとき、じっくり眺めることが特別に許される友人の身体の一部。

(57)「陰口をきく(中傷する)」・・・ある人について気づいたことを、その人にみつからないときに言うこと。

(58)「餌」・・・釣り針をよりよく口に合うようにするための調味料。餌として最高のものは美貌。

(59)「洗礼」・・・聖なる儀式。それを受けずに天国に昇れば、永遠に不幸になるという霊験あらたかなるお祓(はら)い。それは水を用い、二通りの方法。つまり浸礼(しんれい)、またの名をおとしいれること。および灌水(かんすい)、またの名をぶっかけること、によって行われる。

でも浸礼方式が簡単な灌水よりましかどうかは
「欽定訳聖書」と三日熱の熱くらべにより
当の浸礼、灌水を受ける本人たちにきめさせましょう。
(注)
(1)浸礼・・・洗礼の一形式で、全身を水に浸して罪を清める儀式。
(2)灌水・・・水を注ぐこと。特に、農作物や草木に水を注ぐこと。
(60)「晴雨計」・・・現在進行中の空模様を示してくれる精巧な器械。

◎毎月少しずつお金を貯めていきなさい。そうすれば年末にはびっくりすることでしょう。あまりの少なさに・・・アーネスト・ハスキンズ

◎富は海の水に似ている。それを飲めば飲むほど、のどが乾いてくる・・・ショーペンハウアー

◎「噂というもの」
有名な画家の狩野元信が、ある時、天狗の絵を描いた。ところが出来上がった絵があまり大きかったので、画室から出せず、やむを得ず屋根をこわして家の外に出した。するとたちまち京都中に「元信の描いた天狗が屋根を突き破った」という噂が広まった。

◎借金を返すということは収入の問題ではない。性質の問題だ・・・ローガン・スミス

◎金は良い召使いでもあるが、悪い主人でもある・・・フランクリン

◎自分のポケットの小銭は、他人のポケットの大金にまさる・・・セル

◎「シラミの寮」
「痴愚神礼讃」等で有名なオランダ出身の人文学者エラスムスは、若いときソルボンヌ大学に入り、学校の寮に寄宿した。人々に「あの名高い学寮の寄宿生では、さぞかしたくさん学問を身につけられたでしょうな」といわれるたびに、彼はいつもいうのだった。「とんでもない。身につけたのはたくさんのシラミです」

◎お金---手放すとき以外、何の役にも立たぬ恩恵物・・・ビアス

◎「貧困は恥ではない」というのは、すべての人間が口にしながら、誰一人、心では納得していない諺である・・・コッツェブー

◎「タンポポ体操」
タンポポの花が体操をする・・・タンポポは茎を真っすぐ伸ばして花を咲かせるが、咲き終わると、茎を倒してしまう。まるで、種を作るまで地面に寝そべって休んでいるように。茎を倒すのは種ができるまでの間、強風などから身を守るためと考えられてる。また、咲き終わった花が身を引いて低くなることで、花粉を運ぶハチやアブが効率よく花々を回ることができるともいわれている。横になっていた茎は、種が熟すころになると再び立ち上がり、しかも、風を受けやすいように、花が咲いていたときよりも一段と高い位置まで茎を伸ばす。種が付いた編毛を遠くへ飛ばそうとする工夫で、この前屈運動のような茎の動きは、俗に「タンポポ体操」と呼ばれている。

◎富--- 一人の人間の手に帰した多数の人間の貯蓄・・・デブス

◎人間のうちの最高の賢者さえも、金を取りに来る人間よりは、金を持ってくる人間を歓迎する・・・リヒテンベルク

◎金持ちでも貧乏人でも強い者でも弱い者でも、遊んで暮らしている市民はみんな詐欺師だ・・・ルソー(人間不平等起源論より)

◎貧困と希望は母と娘である。娘と付き合っていると母のほうを忘れる・・・ジャン・パウル

◎金持ちは世界の隅々にまで従兄弟やおばさんをもっている。貧乏人が持っている親戚は不幸だけだ・・・コッツェブー

◎誰にでも平等に訪れるものがある。それは、老いであり、病であり、死である・・・仏教本より

◎貧乏には、楽しいことが沢山あるに違いない。でなければ、こんなに沢山の人が貧乏であるわけがない・・・ドン・ヘロルド

◎神は人間に額に汗して働けと命じている。銀行に金を積んで、何もしないで食べていこうとするのは人間の掟に反することだ・・・トルストイ

◎「本音」
イギリスのチャールス二世は、素人設計が大好きだった。ある時王の設計した軍艦が進水することになった。王は大満足で「どうだ、軍艦設計家としても朕(ちん)は一流だろう」というと、おそばにいた一人がついうっかりして「確かにおじようずで、御本職よりもよほど御上手でございます」

◎憎しみの大半は嫉妬か、辱められた愛に他ならない・・・ヒルティ(眠られぬ夜の為に)

◎憎しみは、その心を抱く者の上へ帰ってくる・・・ベートーベン

◎お金は必要だが、重要ではない・・・インディアンの諺

◎よく怒る人の七つの損。1.相手の心を傷つける。2.自分の価値を下げる。3.又怒らねばならぬ原因をつくる。4.周囲の雰囲気を悪くする。5.後で後悔する。6.病気・災難を招く。7.人相が悪くなる・・・仏教本より

◎我々が人を憎むとき、我々は彼の姿をかりて自分自身の内部にある何者かを憎んでいるのである・・・ヘルマン・ヘッセ(デミアン)

◎できるだけ儲けて、できるだけ貯めて、できるだけ与えなさい・・・ウェスレー

◎所有している金銭は自由への手段であるが、追い求める金銭は隷属への手段である・・・ルソー

◎人生、山彦の如し。ありがとうと呼べば、ありがとうと返り。バカヤローと呼べば、バカヤローと返る。何事も相手のせいでは無く、自分が基である・・・仏教本より

◎たとえ小さな斧でも、数百度これを打てば堅い樫の木も切り倒せる・・・シェークスピア

◎美しさと聡明さが親類になることはめったにない・・・ドイツの諺

◎金のない美しさは、扉のない家、風をうけない船、水のない泉・・・イタリアの諺

◎「嫌な再会」
英国の有名な評論家のカーライルは悪筆で植字工泣かせだった。あるロンドソの印刷屋がスコットランドから腕ききの植字工を招いて、力ーライルの原稿を渡した。彼はその原稿を一目見るや、両手で頭髪を引っぱってうめいた。「またこれかい。これを見るのがいやさに、ロンドンに逃げてきたのに」

◎お金や名声は、一度手に入れた後は重荷になるだけ。人生に必要なのは、素晴らしい思い出と精神的な豊かさだ・・・スティーブ・ルカサー

◎無宗教――世界のもろもろの偉大な信仰の中でも、最も重要な信仰・・・ビアス

◎時間を浪費するな、人生は時間の積み重ねなのだから・・・ベンジャミン・フランクリン

◎「本職は手品」
ヴァイオリンの名手クライスラーが、あるパーティーで、かくし芸の手品をやった。すると客の金持ちの一人が「来週、私の家のパーティーでやっていただけないでしょうか」といった。クライスラーは演奏のことと思い「ああそうですか。マネージャーと御相談下さい」と答えた。次の週クライスラーが、その金持ちの家に現われると、ヴァイオリンを持った彼を見て、主人は驚き「おや、あなたはヴァイオリンもおひきになるんですか」

◎私にはクリスマスのお祭り騒ぎが以前からどうしても受け入れられない。それはイエスの生涯や教えに全くそぐわないように思える・・・ガンジー

◎いかなる臆病者でも、「お前は強いぞ」といつも励まされたら、卑怯な真似は出来ないものである・・・犬養毅

◎約束するのに最も手間取る人が、一番忠実に約束を守る・・・ルソー

◎花の咲き散り、人間の生死、嘆くべきことにあらず・・・井原西鶴

◎満足は富にまさる・・・モリエール

◎「自由が一番」
アメリカから帰国した有名なジャーナリストであるウィリアム・コベットを、英国政府は御用新聞の編集長に任じようとした。かれはこれを断わって言った「飢えて痩せた狼が太った飼犬にすすめられて、人間に飼われようと、森を出かかったが、犬の首輪に気がついて、「おれは食べ物より自由が好きだ」と叫んだとさ」

◎良心こそわれわれの持っている買収のきかない唯一のものである・・・フィールディング

◎「引越し」
画家のピカソは絵が売れるようになって、古い部屋から新しい部屋に引越した。前の画室の貧しさ、汚なさに比べて、今度の画室があまり素晴らしいので引越を引受けた運送屋はいった。「旦那、うまく宝くじを当てたもんだね」

◎ともに泣くことほど、人の心を結びつけるものはない・・・ルソー

◎喜びが何であるかは、多くの苦しみを耐え忍んできた人のみが知っている。その他の人々は、真の喜びととは似ても似つかない、単なる快楽を知っているに過ぎない・・・ヒルティ

◎思い出のうちに残っていないような喜びは、真の喜びではない・・・ダニエル・サンダース

◎無知な友ほど危険なものはない。賢い敵の方がまだましだ---ラ・フォンテーンヌ

◎許すことは、忘れることではない・・・アンドレ・コント

◎どんなにその人を愛していても、その人のために全てを犠牲にしてはならない。なぜなら、必ず後で、その人を憎むようになるからだ-・・・曽野綾子

◎金のある者は、金があるために不正をし、金のないものは、金がないために不正なことをする・・・武者小路実篤

◎それ自体の不幸なんてない。自ら不幸を思うから不幸になるのだ・・・アルツィバーシェフ

◎心貧しきものは幸いである。天国は彼らのものである---新約聖書

◎「結果次第」
スパルタのある外交官が、ペルシア大王のところへ、使節として出かけた。ベルシアの役人は彼に「貴方は当宮廷に国使として来られたのか、それとも私人として来られたのか」ときいた。すると外交官は「うまく役目が果たせたら国使ですが、失敗した場合には私人として来たことにします」

◎あなたも私たちと同じように望まれてこの世に生まれてきた大切な人なのですよ・・・マザーテレサ

◎孤独――訪ねるにはよい場所であるが、滞在するのには寂しい場所である---ヘンリー・ショー

◎山高きがゆえに貴からず、木有るをもって貴しとなす。人肥えたるがゆえに貴からず、智あるをもって貴しとなす・・・劉兎錫

◎「売り言葉に買い言葉」
フィレンツェの街角で、新進画家のラファエロと彼を嫌っていた有名な画家ミケランジェロがばったり会った。ラファエロが若いファンをぞろぞろ引き連れて歩いているのを見てミケランジェロが「君は死刑にされる男みたいだな。多勢見張り人がついていて」というと、ラファエロも負けずにいいかえした「貴方は追放された人のようですね。たった一人で歩いていらっしやって」

◎求むれば、すなわちこれを得、捨つれば、すなわちこれを失う・・・孟子

◎道は近きにありて、これを遠きに求む・・・孟子

◎悪を責むることは朋友の道なり・・・孟子

◎「役立つ書物」
新聞記者が劇作家のバーナード・ショーに「貴方がこれまで、もっとも多くのおかげをこうむった書物はなんですか」と質問した。するとこの皮肉屋の作家「それは銀行の通帳だよ」

◎犬はよく吠ゆるをもって良となさず、人はよく言うをもって賢となさず・・・荘子

◎幸福な家庭は、すべてよく似通っている。しかし不幸な家庭は、それぞれに不幸である・・・トルストイ

◎十人の子を養う父あり、一人の父を養わざる十人の子もある・・・法句経

◎人は長生きせんと思わば、虚言を言うべからず・・・夢窓国師

◎ことごとく書を信ぜば、書なきにしかず・・・孟子

◎「嘆かわしい」
フランスの思想家のモンテーニュは飼い猿をしぱらく見ていたがやがて嘆いていった。「わしらはよくも動物中で一番醜い、しかも下劣なものに似たもんじゃわい」

◎「骨まで食べつくす」
ルネサンス当時の食卓では、骨などは足もとに捨ててよいことになっていた。「神曲」を書いた詩人のダソテを食事に招いたある男が、詩人の足もとに自分の食べかすもみな足でそっと押しやって置いた。そして食事の終わった時ダンテの足もとを指していった。「詩人にしては健淡ですな」詩人はあわてず主人の足もとを指していった。「なにほどでもありませんよ。貴方のように骨まで食べません」

◎いかなる宣伝も大衆の好まれるものでなければならず、その知的水準は宣伝の対象相手となる大衆のうちの最低レベルの人々が理解できるように調整されねばならない・・・ヒトラー(わが闘争)

◎偉大な理論家が偉大な指導者であることは稀で、むしろ扇動者の方が指導者に向いているだろう。指導者であるということは大衆を動かしうるということだからである・・・ヒトラー(わが闘争)

◎(悪魔の辞典(A・ビアス)より。その5)
(41)「大司教」・・・司教より1ポイントだけ神聖度の高い、権威ある聖職者。

もしもおいらが陽気な大司教様なら
金曜にゃ魚を大食(おおぐら)い---鮭(さけ)にヒラメにワカサギまでもほかの日ならば魚以外はなんでも結構(ジョード・レム)

(42) 「建築家」・・・ひとの家の設計図を描(ひ)きつつ、その人の預金の引出しをたくらむ奴。

(43)「熱情」・・・知らないうちに色情を暴露してしまう特質。

(44)「貴族政治・上流階級」・・・最良の人々による政治(この意味では廃語)。ふかふかの帽子と真っ白いシャツをきた連中――教育というやましさを背負い、銀行に口座があるともっぱらの噂あり。

(45)「鎧」・・・鍛冶屋を仕立て屋としてかかえている男が着用する衣類。

(46)「逮捕する」・・・異常行為ありとして告発された人物を正式に拘留すること。

神はこの世を6日間にて造り、7日目に逮捕され給えり(非欽定訳聖書)
(47)「砒素」・・・化粧品のことで、婦人たちの心はこれに強く引きつけられるが、のち、健康まで連れていってしまうもの。

「砒素を飲む? いいとも腹一杯おやり」
うなずきつつ、彼は大声を出した
「ねえ、お前、それを飲むんだったらその方が助かるよ
わしの茶碗に入れるよりはね」

(48)「芸術」・・・この単語は定義を持たない。かの独創力豊かなイエスズ会のガッサラスカ・ジェイプ神父は、その語源を次のように述べている。

とある日ひょうきんもの---そ奴あさましくもなにをねらわんとしたのか---
組み合わせ文字RATの一字を入れ替えて
これぞ神のみ名なりと唱えたり
そこでぞくぞく登場するは異様なる牧師とその卵なり(見せもの、秘法、無言劇、聖歌、その手足を不具にするほど悲惨な論争を伴いて) 神の宮に仕え、聖火をたやさず
法を説き、あやつり糸を引くためならむ
孤(きつね)につままれた面持ちにて、民衆、式に臨む
とんと合点のいかぬことどもをすべて呑みこみ
それでも教えは深まりて
二つに分けた髪をかくかくまとめれぱ(「芸術の神」のなしうるごとく) 分けたことなき「自然の女神」の髪よりも価値はいや増し、品格もぴたりと判断力もついてきた
生贄、捧ぐる儀式ともなれば、馳走と酒をもち寄るし、牧師の糧をうるために身ぐるみ剥(ぬ)いでもいとわぬ始末なり

(49)「あどけなさ」・・・女どもをほれぼれと見るような男性について、長らく研究し、厳しい訓練を重ねたすえに身につけた男心をそそる特性。男どもはそうした特性が、我が子の天真爛漫ぶりに似ていると思いたがる。

(50)「誹謗(非難)する」・・・何か悪事を重ねたくなるような誘惑の魔手にも、また機会にも恵まれなかった奴が、そうした悪業の数々を意地悪くも他人のせいにする。