季節の便り 03-04
長良川源流の巻


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ひるがの高原 分水嶺公園        ← 岐阜 伊勢湾へ    高岡 富山湾へ →
 
中部山岳地帯の大日岳(1,709m)を源流とする流れは、ひるがの高原で北と南へ別れて流れ出しま
す。北の流れは荘川ダム、飛騨白川郷を経て「荘川」となり、富山県の高岡から富山湾にそそぎま
す。
南の流れは白鳥、郡上八幡、日本の臍美並村、美濃、関、岐阜、長良川河口堰を経由し桑名の北 長
島町で伊勢湾に達します。
共通の源流を持つ二つの川は、多分ここだけでしょう。

          
 
富山県高岡市と岐阜市の水道水の水質は良く似ています。
 
イオン状シリ

  mgSio2 /l
 
  電気伝率
  mS/m
  全硬度
  mgCaco2/
l
 
  PH
高岡市
9.42
20.8
 9.7
7.2
岐阜市
9.3
 26.6
9.28
7.2
東京 江東
22.0
18.66
71.1
7.7
横浜市 
24.1
15.20
 55.9
7.6
長野市
16.1
16.66
47.0
7.6
名古屋市
10.7
10.66
35.7
7.3
大阪市 
6.6
15.10
35.9
7.0
広島市
9.8
9.66
22.8
7.3
福岡市
22.5
11.09
28.2
7.4
                            
         
 
     水芭蕉の群落             座 禅 草

5月の連休明けの頃、ひるがの高原は自生の水芭蕉や、座禅草で飾られます。
自生の天然記念物 しでこぶしなども咲き誇ります。海抜1000mの高原は
ようやく春を迎えます。
この付近を源流とした長良川は、雪解け水と年間降雨量 3,000mmの豊かな水で年間を通じて日本
最大級の流れをつくります。
 
年平均流量を比較してみました。(?/秒)

  揖斐川 7.44 信濃川 5.65 石狩川 3.94
  長良川 7.07 淀 川 4.35 利根川 3.32
  木曽川 6.89 北上川 4.09 
 
 
古今伝授の里
 
長良川源流のひるがの高原を少し下ったあたりに、岐阜 大和町があります。
本年3月1日、ひるがのある高鷲村、大和町、八幡町など7町村が合併して『郡上市』ができました。
この岐阜大和に「古今伝授の里」というフィールドミュージアムがあります。これは連歌師 飯尾宗祇
が東常縁(とうのつねより) から「古今和歌集」の解釈指導を受けた地を記念して作られた施設です。
 
  
美濃の東氏は下総の豪族 千葉氏の一族で、源頼朝の御家人千葉常胤の六男胤頼に始まります。
東氏は現千葉県香取郡東庄町一帯を領していました。胤頼の子重胤は藤原定歌に連歌を学び、将
軍実朝の側近となり、根拠地を下総から美濃へ移しました。三代目胤行は藤原定歌の孫娘を妻とし
ました。以来八代にわたって勅撰歌人を務めました。
八代氏数の弟常縁が和歌の名手として名をはせました。1471年連歌師宗祇は京からこの地にやっ
てきて常縁から和歌の講釈を受けました。
宗祇は郡上八幡の小駄良川の側に庵を構え、美濃大和の篠脇城まで通いました。
特に日本最初の勅撰和歌集「古今和歌集」の解釈を中心に、歌学や関連分野の諸学説を師から弟
子に口伝々授することを「古今伝授」と言いました。

                         
                     東常縁が飯尾宗祇に与えた伝授書・・・       ・・    

宗祇が郡上八幡を去るとき、東常縁が詠んだ歌がのこされています。
 
もみじ葉の 流れる竜田白雲の 花のみよしの 思い忘するな
 
宗祇が住んだ庵の側の湧き水が、名水百選「宗祇水」として残されています

  
   名水百選『宗祇水』          郡上八幡城
 
 
 
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