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季節の便り 03-04
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ひるがの高原 分水嶺公園 ← 岐阜 伊勢湾へ 高岡 富山湾へ →
中部山岳地帯の大日岳(1,709m)を源流とする流れは、ひるがの高原で北と南へ別れて流れ出しま
す。北の流れは荘川ダム、飛騨白川郷を経て「荘川」となり、富山県の高岡から富山湾にそそぎま す。
南の流れは白鳥、郡上八幡、日本の臍美並村、美濃、関、岐阜、長良川河口堰を経由し桑名の北 長
島町で伊勢湾に達します。
共通の源流を持つ二つの川は、多分ここだけでしょう。
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富山県高岡市と岐阜市の水道水の水質は良く似ています。
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水芭蕉の群落 座 禅 草
5月の連休明けの頃、ひるがの高原は自生の水芭蕉や、座禅草で飾られます。
自生の天然記念物 しでこぶしなども咲き誇ります。海抜1000mの高原は
ようやく春を迎えます。
この付近を源流とした長良川は、雪解け水と年間降雨量 3,000mmの豊かな水で年間を通じて日本
最大級の流れをつくります。
年平均流量を比較してみました。(?/秒)
揖斐川 7.44 信濃川 5.65 石狩川 3.94
長良川 7.07 淀 川 4.35 利根川 3.32
木曽川 6.89 北上川 4.09
古今伝授の里
長良川源流のひるがの高原を少し下ったあたりに、岐阜 大和町があります。
本年3月1日、ひるがのある高鷲村、大和町、八幡町など7町村が合併して『郡上市』ができました。
この岐阜大和に「古今伝授の里」というフィールドミュージアムがあります。これは連歌師 飯尾宗祇
が東常縁(とうのつねより) から「古今和歌集」の解釈指導を受けた地を記念して作られた施設です。 ![]() ![]()
美濃の東氏は下総の豪族 千葉氏の一族で、源頼朝の御家人千葉常胤の六男胤頼に始まります。
東氏は現千葉県香取郡東庄町一帯を領していました。胤頼の子重胤は藤原定歌に連歌を学び、将
軍実朝の側近となり、根拠地を下総から美濃へ移しました。三代目胤行は藤原定歌の孫娘を妻とし ました。以来八代にわたって勅撰歌人を務めました。
八代氏数の弟常縁が和歌の名手として名をはせました。1471年連歌師宗祇は京からこの地にやっ
てきて常縁から和歌の講釈を受けました。
宗祇は郡上八幡の小駄良川の側に庵を構え、美濃大和の篠脇城まで通いました。
特に日本最初の勅撰和歌集「古今和歌集」の解釈を中心に、歌学や関連分野の諸学説を師から弟
子に口伝々授することを「古今伝授」と言いました。 ![]()
東常縁が飯尾宗祇に与えた伝授書・・・ ・・
宗祇が郡上八幡を去るとき、東常縁が詠んだ歌がのこされています。
もみじ葉の 流れる竜田白雲の 花のみよしの 思い忘するな
宗祇が住んだ庵の側の湧き水が、名水百選「宗祇水」として残されています。
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名水百選『宗祇水』 郡上八幡城
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