もう、後戻りなどできはしない。 退く事も、戻る事も許されはしない。 ならば、前に進むしか無い。 退路は、最初から絶たれているのだから。 ――――――否、元より退く気などありはしない。 そう、 例えそれが、本来あり得ぬ道だったとしてしても―――――― 【 赤少年と捕獲みっしょん 】 翌日の朝、オーキド研究所前。 「では、町に着いたら、必ず連絡を入れる様にな」 「がんばってねv」 「あふぅ・・・・・・りょーかいでーす」 玄関の前までお見送りに来てくれた博士とナナミさんに、あくびを噛み殺してうなずく。 しっかし眠いなー、しっかり寝たのに。あ、寝過ぎなだけか!(あっはっは) 行ってきまーっすと笑顔(うん、作り笑顔だけど何か?/爽)で手を振り、身を翻して歩き出した。 とうとう(本格的な)旅立ちなのです。 友よ、見ているか! 必ず(多分)立派なトレーナーになるからなっ!! あの世でご報告だな☆(←!?) ■ □ ■ □ そこそこ研究所から離れると、ふうーっと胸にたまった息を吐く。 あー・・・なんか疲れた(速っ) 何せ、あのブラックな人達と顔ひっつき会わせてたもんなー・・・・・・(遠い目) 別にあっちは意識してなくても、ミョーなプレッシャーあるんだよなあの二人。 微妙な疲れを感じている精神を切り替え、まずは何処に行こうか・・・と思案するまでもない。 「まずは、トキワだよな」 マサラの近くって言ったらやっぱトキワシティだし。 “波乗り”使えればグレン島も行けるけど、アブソルじゃ無理だし。 ・・・あれ、そーいや昨日迷ってた森ってトキワの森じゃなかったっけ? 「・・・ひょっとしてアブソルってば、方向音『五月蠅い黙れ』 ぼそっと呟いたのを速攻で遮るアブソル。 「当たりですかい」 『悪いか』 開き直るか。 でも珍しいよな、ポケモンで方向音痴ってのも。 「いーや、面白いから良しv」 満面笑顔で親指押っ立てる。 それも一興ってな!特になんか問題あるわけでも無し! 『(面白い!?)娯楽か!?』 「うんまぁ100%程は!(爽)」 『笑顔で肯定するな!』 実は気にしてるのか、怒るアブソル。 あっはっはーと笑うあたし。 いいじゃないか、そんな細かい事。 「そーいや、名前付けた方がいいよねぇ?アブソル」 そのまま話題ほっぽっといて、急激なる話題変換をする。 イヤ、そーいや名前まだ無い事に気がついたんで。 いつまでも『アブソル』って呼ぶのも味気ないしなー。 急に話題を変えられ、まだ何か言いたそうではあったもののふぅ、とため息をついて。 『ナマエとは個々を表す、一種の記号の様なモノだろう?不要だ』 いきなり冷めた調子に戻って言い切った。 シビアな事抜かすなアブソルよ。 何かヘリクツっぽいのに納得できるから悔しいな。 「・・・うーん、ま、確かにそーかもしんないけど、名前って『自分』だけのモンだしさ。 それぞれに、込められた願いがあるモンだし。単なる記号ってのは、ちょっち違うと思うのよ」 そこまで言うとタチの悪い、にんまりとした笑顔を浮かべる。 「てなワケで、名前付けますや♪」 『結局強制か・・・』 微妙に哀愁の感じられるアブソル。 まぁ気にすんなって、そんな悪いモンでも無いし!(笑顔) 「ん〜・・・・・・じゃ、『白夜』ってーのでどう?」 ちょっとだけ考え、1つの名前を提案する。 実はこの名前、が、ゲームで持っていたアブソルに付けたモノだったりする。 要は使い回【 強制終了 】 『どんな名前がいいか、良く解らんしな・・・・それでいい』 特に名前を必要とはしないアブソルなだけに、あまりこだわらずにあっさりと承諾する。 決定。 「めでたく名前も決まった事だし・・・・・・今夜はお赤飯だねvvv」 『要らん』 0.00001秒(速っ)で即答。 予想していたらしく、けらけらと笑う。 「あ、やっぱり?」 『解っているならやるな(怒)』 そんな感じでアブソル改め、白夜と楽しくも爽やかな会話(・談)を繰り広げる。 端から見ると一人でしゃべって一人で笑ってるのだから、いくら見目が良くても、それは確実にヒく光景である。 うんつまり、 めっちゃ怪しいのは疑いようも無いって事さ!(スマイル/つーか解ってんなら止めろよ) ・・・・・・ 。 ちょっぴり、周りの視線が痛い12歳☆ 「ふっ・・・・・この程度で妾は屈せぬぞ!織田信長ぁっ・・・・・・っ!」 『何の関係があるんだ一体』 第一、オダノブナガとは何だ? ネタが解らない白夜だった(当然か) あ、そーいやテスト勉強とかもやんなくていいんだよね!よっしゃラッキーっ!(喜) ■ □ ■ □ るんたったーるんたったー♪ しごく楽しそうな調子でよく分からない鼻歌歌いつつ、道を歩いていく。 その横では、やっと街を出たから、と言う事でモンスターボールから出した白夜が寄り添っていた。 「白夜ー、一緒に歌おうZe☆」 あの星に向かって♪ 『疲れる面倒臭い第一星など出ていないだろう今は昼間だ』 淡々と斬り捨てる白夜。 イヤンつめたーい(←ものっそ楽しそう) 「うぅん、一息で言うとは見事な芸だね☆」 『断じて違う』 ぬぅ、否定するか! 「うーん・・・じゃあ隠しげ 「くそっ!ニョロゾ、みずでっぽうだっ!」 「駄目だよ!ほとんど効いてない!!」 「速く逃げようよぉっ!」 突如聞こえてきた、せっぱつまった声。 そんな、どう考えてもトラブル発生中の方向へ視線を向け、白夜との漫才を中断する。 「・・・・・・行ってみますかね♪」 『――――好きにしろ』 呆れたような白夜。 ま、トラブルに首突っ込むのは性分ですし?諦めておくれ白夜。 口の端吊り上げ、淡い笑みを唇に刷く。 人生にトラブルは付き物だしね、刺激的な人生希望!(爽/待て自称一般人) 期待に双眸輝かせて。 声のした方向に向かって、は地を蹴った。 ■ □ ■ □ ぴん、と空気が張りつめる。 生き物の気配が濃厚なはずのその場所で、其処だけは、たちこめるのは薄氷を思わせる緊迫感。 びりびりと、肌で感じるのは強烈すぎる程に強烈な、殺気と敵意。 ふとすれば尻込みしそうになる程強烈なそれに、カタカタと震える身体を叱咤する。 胸を上下させ、軽い酸欠気味の身体に冷えた空気を送り込み。 視線は、目前に立ち塞がる<そいつ>から外さないで。 吐き捨てる。 「ちくしょう!何なんだよこいつはっ!?」 攻撃されても、さして堪えた様子もない。 レベルが違いすぎる――――――その事実に気付くには、彼は追い込まれすぎていて、未熟すぎて。 鋭い双眸が彼等を見据える。 晴れた空を思わせる真っ青な色彩の、ニョロゾより少し大きめな程度の小柄な身体。 こちらは満身創痍だと言うのに、相手はほとんど無傷な状態。 すでに、彼のニョロゾは力尽きかけていた。 ダンッ! 空気を震わし、そいつが地を蹴る。 はっと目を見張る。来る! 「っニョロゾよけろっ!!」 ばぎィっ!ザザザザザ・・・・・・・・っっ 鈍い音。 目の前がくらりと暗転しかける。 次いで受けた衝撃に、一瞬、息が止まった。 「・・・・・・っ」 あえぐように唇を開く。 吹っ飛んできたニョロゾごと、木に叩きつけられたのだ。 重力に従い、もたれ掛かったままでずるずると落ち、地面にへたり込む。 ずきずきと痛む身体。 傷だらけで横たわる、自分のポケモン。 荒い息を繰り返しながら視線を上げれば、<そいつ>が、殺気だった顔で息を吸い込むのが見えた。 身体は、動かない。 ぎゅっときつく目を閉じる。 ―――――――やられるっ! 「白夜、“電光石火”!」 しかしその瞬間、聞き慣れない声が、突如響いた。 凛とした雰囲気を纏わせた、澄み切った楽器の音色を思わせる―――――聞き惚れてしまいそうになる、美しい声。 予想した衝撃は、来ない。 そっと目を開ける。 そこにいたのは、見た事のない、不思議な冷たさと侵しがたさを持つポケモンと。 白い肌を際立たせる漆黒の服を纏った、存在自体が夢か幻のような―――――綺麗な、銀の女神。 見事なくらいに現実感を伴わないその美貌に、ぽかん、と口を開けて魅入る。 女神が、首を傾げて対峙したポケモンを見やる。 その何気ない行為に合わせて、短い銀髪がさら、と揺れた。 「・・・ま、いいか。白夜、“カマイタチ”」 そう、『白夜』と呼んだポケモンに指示を出す。 そちらを振り返る事すらせずに、こちらに近づきひざをついた。 「大丈夫?」 間近で顔を覗き込まれ、慌ててこくこくとうなずく少年。 傷は無いよな、と眉を寄せて触れてきた手に、顔を耳まで赤くした。 しばらくぼうっと見とれていたものの、はっと表情をこわばらせる。 「っ!うしろっ!!」 いつのまにか女の人の後ろにいた<そいつ>が、すごいスピードで迫る。 後ろに視線を向けること無く、無言で、唇を笑みの形に歪めた。 「―――――――“電光石火”」 どがぁっっっ! 凄まじい音を立てて<そいつ>が吹っ飛び、木に叩きつけられた。 『白夜』がくるりと回転して地に降り立ち、こちらに抗議する様に低くうなる。 「はいはい、解ったって」 肩をすくめてそう呟く。 ザックに手を突っ込んで、無造作に取り出したのは――――モンスターボールだった。 「行けっ!」 モンスターボールが、ぐったりしているポケモンに命中する。 しばしの間明滅を繰り返していたが―――――やがて、それも収まった。 「捕獲完了・・・っと」 気のない様子で呟いて、大人しくなったモンスターボールを拾う。 そんな女神に、音も無く『白夜』が寄り添った。 「・・・ああ、うん、たしかにそーだけどさぁ・・・・・・・・」 「まぁいーっしょ。色々、聞きたい事もあるし・・・はいはい、好きにして」 うなり声と女神の声が交互に響き、なにやら会話している様に見えた。 女神は苦笑を浮かべると、『白夜』をボールに戻した。 そして、こちらを見てにこりと微笑む。 「さて、少年。家まで送ってあげるよ」 綺麗に笑った女神の一言に。 彼は、真っ赤な顔でうなずいた。 ■ □ ■ □ いやー、しかし驚いたモンだ。 こんな所に、未来のチャンピオンがいるとは!! しかも生足半ズボンっっ! プリキュンだよ少年もといレッドよ! てゆーか 超☆襲いてぇっ!!! (←やめれ) 激萌えvvv 誘っているのか?その無意識な色気はっっ! たまんねぇなあオイv (←変態通り越してすでに 犯罪 ) お持ち帰りしたいなんて言いません。 ですから抱きつき愛でまくらせて欲しいんですがダメですか(当然だ) なとなど、よこしまな妄想繰り広げている間に、どうやらレッドくんのお家についたようです。 ちっ、もう終わりか。(もうちょっとじっとりねっとり愛でたかったなー・・・) 「それじゃ、元気でね。もう無茶なマネはしない様に」 はっきり言って、生足で激萌え☆なレッドと、もうしばらく居たい。 居たいが・・・あのブラックオーラを生で何度もおがむのはイヤだ。 何気に生命の危機感じるし。 会ったらヤだなぁ・・・ 早めにトンズラが吉だね♪ ひらひらと手を振って踵をかえす。 さー、さっさと行こう。 「っ・・・あのさ!なんて名前なの!?」 後ろから、かけられる声。 後ろを振り返ればそこには、必死な―――――真剣な瞳をしたレッドの姿。 うっわヤバイ可愛いすぎーっ! そんな目で見つめないでおくれ理性が保たないからっ!(必死) 意を決した様に問うその切なげな表情に激しく萌えつつ、表面だけは冷静を装う。 「 。縁があったらまた会おうね?レッド♪」 「え・・・」 驚いた様に目を見張るレッド。 よっし、ドッキリ成功☆ ぐっと心の中で握り拳し、小さく微笑する。 さーて、トキワへれっつらごー! TOP NEXT BACK レッドといた子達は先に逃げました。 |