・・・・・あー、何か思い出したなぁ。 ってば綺麗な顔してるから、ファンクラブがあったっけ。 しかも老若男女問わずで。 うん、あれはなかなか壮観だった(しみじみ) 特にバレンタインとか誕生日とかクリスマスとか。 下駄箱にも机にもロッカーにも貢ぎ物が大量に積まれてたもんなー・・・・・(←懐かしそう) こんな事思い出したのは、多分・・・いや絶対、目の前の光景の所為だと思うね! ま、あいつよりギャラリー賑やかだけど。 【 懐かしくもイヤな光景 】 別れを惜しみつつも、醜い争いを繰り広げるシルバーとブルーを放置プレイに処して。 あたしは今、タンバにいた。 そしてジムの前で見たのは―――――― アリの如くむらがるヲトメ達(爆) ははははは、イヤな意味で懐かしいね!! まぁ、はこーゆーの嫌いだったし?(だってうるさいと寝れないじゃん) 外見的には凛とした、真っ直ぐな性格に見えたからなー。 ファンの方も自粛してたし、ここまで表だってはなかったかな。 まぁ裏側は酷かったけど。抜け駆けする奴には特に(←何故知っている) あたしはきっちり認められてたからなんもされなかったけどねー。 されても返り討ちだったし☆(←何されたんだ) わらわらと、しかしこっそりとジムの前で集団ストーカーめいた行動している方々。 当然、あんなストーカーまがいな連中と混同されて一緒にされると非情に不快なので、10m以上は距離を取っている。 (つーか、キャラ萌えで大暴走☆しつつポケモンで悦り戯れるお前が言うか/大丈夫、だってあたしは集団じゃないしむしろウザくない程度にストレートッ!) 「・・・・・うーん、おとぎ話を思い出す光景だ」 よくまぁやってられるなーと半ば感心、半ば呆れつつ、あごに手をあてしみじみ呟く。 そう――――幼き頃には絵本として、そして学生時代には最古の古典として授業で。 これを知らないなどと言った日にゃ『え、あんたそんな事も知らないの!?』などと言われる事確定! つーかこれを知らなきゃ日本人じゃないぞと突っ込めるそんなお話!! 最古にして未だに語られる、ドリーマーな方々(作者含め)にパロディとして使いやすいポピュラーネタを提供!!! そしてさらには女の夢(←え、そうなの!?)・逆ハー状態を何百年も前に書いた傑作!!!!(ある意味問題作) 全員ばっさりフり倒した、金にも権力にも屈しなかった姉御!と呼びたい女の話!!!!!(微妙に違ってないか?) 日本人なら一度は聞いた事があるあの話をっ!!! 『何の話だ?』 「かぐや姫」 白夜の問いに間髪入れず、はっきりきっぱり言い切る。 うん、やっぱこれしか無いっしょ! まぁ男だけどさグリーンは(笑) 『ぴったりですね』 感心しているような愛らしい声が、同感の意を示す。 どうやら、本気で純粋に納得しているようだ(可愛い奴めv) しかし、この鼓膜に響くキンキン声はどうにかならないものだろうか。 鼓膜突き抜けてどアタマに響く!(怒) 金属と金属の擦れ合うような、黒板を引っ掻いた時のような、高く響くだけに不快な声の洪水。 ここまで来ると、公害指定されてもおかしくないぞこれ。 しっかし、よくシジマさん達耐えられるな。 あたしだったら「ぎゃんぎゃんぎゃーぎゃーくそやかましいんじゃおのれらはああぁぁあっ!」とか叫びつつ鉄バットで殴り倒したい衝動に駆られそうだ。 つーかやるかなこんなんが毎日だったら(爆) 『五月蠅い連中だな』 『どーかん。蹴散らしてぇな』 ほとんど吐き捨てるように白夜が呟き、天空がぼそっと物騒なセリフを吐く。 考える事は皆同じか。 「まぁ、なるべく穏和に抜けないと」 ヤる気満々な二匹を軽くたしなめる。 あたし自身、確かにこいつら蹴散らしたら気持ち良いだろうなぁ・・・とは感じている。 だが、ここでぶちのめして通ると、報復は恐くなど無いが後々がウザい。 腕を組んで、中に入る方法を幾つか思い浮かべる。 どれも有効そうだが――――――ぶっちゃけめんどい。 つーか、こいつらのためにまわりくどい方法使うなんて、 なんっかムカつくから嫌だ。(真顔) んー・・・・。 一番簡単なのはアレだけど、ちょっと使う気にはなれないんだよなー。 いっそ、ジム内に入るのは諦めようか。 そんな考えが、ふっと頭に浮かぶ。 しかしその瞬間、ナナミさんの顔が脳裏を横切った。 全身から、さぁっと血の気が消えて鳥肌が立つ。 こ、怖ぇえ・・・・・・・・・・・・っ!!! 想像しただけで総毛立つ程怖い です。 ・・・・・やっぱ、それだけは実行しない方がいいよな(汗) 改めて、ナナミさんへの恐怖を再認識。 となると、やっぱあの手が一番かな。 心の中でそう呟くと、帽子を取り、少し乱れた髪を簡単に整える。 そして、一番近くにいた少女の肩をトントンと叩いた。 「ちょっと、何・・・・・・・・・・」 少女はイヤそうに振り向き―――――次の瞬間、顔を真っ赤にして硬直する。 うーん、やっぱり効果絶大?(←その通りです) 完全硬直した彼女に気付いたらしく、仲間の少女が彼女を見て、次いでこちらへと目を向ける。 そんな感じで連鎖反応的に、こちらを見て顔を赤らめ硬直していく少女達。 いやぁ、ちょっち面白いかも☆ しかし、目が合った瞬間硬直するなんてメドゥーサになった気分だなー。 もしくはバジリスクとか? そんな事を考えながら、にっこりと営業スマイルを浮かべて一言。 「悪いけど、通してもらえる?」 その途端、まるで波が引くかの如き速さで、少女達が退く。 しかも、ほとんど一斉にだ。その足並みの揃い方たるや、まさに軍隊並みである。 まさしくマネキンめいた見本笑顔だったのだが、それでも効果はあったようだ。 まるでモーゼの海割りだなオイ。 そんな感想を胸に抱きつつ、悠然とその道を通る。 熱病にでもかかったような上気した顔で、こちらを見つめる彼女たちは・・・・・正直に言わなくても、ちょっと怖い。 いくつもの視線が、一身に集中するのを肌で感じる。 それを鬱陶しく感じながら―――――あたしは、無事にタンバジムへ入ったのだった(ちゃんちゃん♪) ■ □ ■ □ 「そだ。せっかくだし挑戦しますか」 ジム内に入ってちょっと歩いた辺りで、そんな事を提案する。 マンガ見た限りでは、かなり強そーだし。 こないだニビでジム戦やってみて解ったけど、ジムリーダーって結構手応えあるし! 『アバウトですね』 『いつもの事だ』 極めてさらりと会話を交わす白夜と氷月。 そこには、ジムリーダーと一戦交えるという事に対しての情熱も意気込みも感じられない。 ぬぅ、ドライな奴等め。 そんな二匹の言葉に胸を張って、 「失礼な。今回はちょっとした現実逃避もかねてんのさ!!」 『現実逃避・・・・ですか?』 きょとん、とした紫苑の問いに、重々しく頷く。 うんまぁ威張る事じゃないけどね!(笑) 『うっわー似合わねぇなそのセリフ』 『それより、何故現実逃避を?』 天空が笑いの含まれた声で言い、氷月が理由を話すようにと促す。 こりこりと頬を掻いて、苦い気分で口を開く。 「あー・・・・・ほら、グリーンってナナミさんの弟じゃん?」 『もういい、何も言うな』 即行で続きをさえぎる白夜。 どうやら、言わんとする事を理解してくれたらしい。 『ごめんなさい、ご主人さま・・・・・』 『・・・・・私とした事が、浅はかな問いでしたね』 紫苑が申し訳なさそうに謝り、氷月が自嘲気味に呟く。 二匹も、察してくれたようである。 が。 『へ、何で?』 心底疑問、といった声で聞く、天空。 どうやら、本気で分からないようだ。 その言葉に、思わず脱力してふかぁ〜くため息をつく。 ・・・・・鈍いな、オイ。 最近入ったばっかの氷月ですら察したのに。 「天空・・・・・グリーンはナナミさんの弟だってのは知ってるよね」 『ああ』 「オーキド博士が、グリーンの祖父だってのも知ってるよね」 『まーな』 ・・・・・・・解ってないな。 天空のニブさに、奇しくも全員の口から、一斉にため息が漏れる。 え、え?と戸惑う、まったく理解できない天空。 『ここまで言われても、気付きません・・・・・?』 『いや、だから何に!?』 ああもうホント何で気付かないんだよこいつ。 「つーまーりー」 グリーンはナナミさん達の身内=黒属性 沈黙。 天空の上に、妙に重苦しい沈黙が降りる。 たっぷり数分沈黙した後―――――ゆっくりと、口を開いて。 『・・・・・・・・・・・・わりぃ、聞いたオレが馬鹿だった』 痛切な声で、謝った。 解ればよろしい。 「・・・・・誰だ、あんた」 突如、あたしの後ろから、幼さのある声が響く。 まるで冷水を浴びせられたかの如くに、の顔から一気に血の気が引いた。 額を意味もなく伝う汗の理由は、気温でないのは明白で。 ひくっと顔面の筋肉が痙攣するのが、嫌でも解った。 こ、この声ってまさか・・・・・・・ ほとんど心停止起こしそうな気分で―――――ゆっくりと、後ろをふり返れば。 そこには――――――マンガで見たよりも少し幼い、グリーンがいた。 TOP NEXT BACK この世界(ポケモン世界)にかぐや姫が何であるのかとか、 あまつさえ何故ポケモンが知ってるんだとかはスルーでお願いします。 メドゥーサとバジリスクはどちらも神話に出てくる怪物で、目を見ると石化。 モーゼはユダヤ教の開祖でなんか海を割った人(アバウト) |