少林寺拳法とは

◎少林寺拳法とは?
 1947年(昭22)、開祖・宗 道臣(そう どうしん 1911〜1980)が創始。
当時、敗戦による混乱から秩序はすたれ、不正と暴力がまかり通っていた。
宗 道臣は、中国で学んだ拳技をもとに、自らの理論による独自の拳法をあみ出し 「少林寺拳法」 と命名。これを人づくりの手段として、 「自己確立」 と 「自他共楽」 の教えを説いた。

◎人づくりのための「行」である
 少林寺拳法には、勝敗を争う試合というものはない。
「半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを」 ・・これが少林寺拳法の理念を表した宗 道臣のことばである。
技術を身につけることで、イヤなものはイヤと言える自信と勇気を手に入れ、なおかつ、人と人とが協力し合うことの楽しさと大切さを学ぶことに修練の目的がある。

護身の技術である
 少林寺拳法は、 剛法、柔法、整法(整骨等) の三法二十五系より成り立っている。突き・蹴り主体の剛法も、抜き・逆・固めなどが主体の柔法も、その技法は守りと反撃からなる護身の技術である。
 よって体格の大きさや力の強さに頼らずとも相手を制することができるよう合理的に構成されている。

組織と普及状況
少林寺拳法は次の4つの組織からなっています。全ての道院・支部が次のどれかの組織に入っています。
「 財団法人 少林寺拳法連盟 」…少林寺拳法の普及を通じて社会に寄与する
「 宗教法人 金剛禅総本山少林寺 」…宗 道臣が提唱した金剛禅の教えを広め、 門信徒を教化育成する
「 学校法人 禅林学園/専門学校禅林学園 」…少林寺拳法を通じて個人の資質の向上を図り、以って社会の福祉に寄与できる指導的社会人を育成する
少林寺拳法世界連合(WSKO) 」…世界各国での少林寺拳法の普及活動を統括し、支援していく
 少林寺拳法連盟の登録会員は150万人。1年に一度、全国大会が行われます。
 海外28ヶ国にも普及し、WSKOによって各地区講習会や4年に一度の国際大会なども開催されています。

≪少林寺拳法について、よくされる質問に対して具体的にお答えしましょう≫
(これまでに学んだことをふまえて私見を述べます)

Q:少林寺拳法ってどんなもの?

A:一言では説明しきれませんが、あえていうなら、「護身術」でしょう。自分の体と心の両方を鍛えて、他の人のために、社会のために役に立てる人間になること、そういう人間をひとりでも多く増やすことを目指しています。ですから、誰かを倒すことや勝つ事を目標としていません。また、子供や老人、女性など、力の弱い人もできます。相手の力を利用した技なので、稽古をすれば誰もが習得できます。

Q:少林寺拳法って中国のもの?

A:いいえ。少林寺拳法は日本で創られたものです。開祖・宗道臣が第二次世界大戦中に中国で身に付けた拳法を、戦後、日本でまとめ直し工夫されて、現在の少林寺拳法を広められました。中国で行われている「少林拳」とは別のものです。

  少林寺拳法創始者(開祖):宗 道臣(そう どうしん)
(1911年〜1980年) 
  似顔絵で失礼しました… 直接お目にかかったことはありませんが、体も心も大きな方だったと想像しています。厳しさと優しさの両方を兼ね備えた、魅力的な方だったのではないでしょうか。  

Q:少林寺拳法の試合(大会)ってどういう形式?

A:少林寺拳法は誰かに勝つことを目標としていません。したがって、チャンピオンは必要ないのです。各地で開催される大会や全国大会、国際大会は、すべて発表会のような形です。出場拳士は皆、「演武(えんぶ)」という形式で表現します。自分の資格(○級とか○段)にあった技を使い、時間制限のなか、主にふたりで攻者・守者となって技を行います。審判員は、技の正確さや表現の仕方などを点数化します。それにより、最優秀、優秀、優良という賞を決めます。大会は、これまでの自分の稽古の成果を披露する場であり、他の道院・支部との交流の場でもあります。

*少林寺拳法の6つの特徴

1.拳禅一如(けんぜんいちにょ)
   …拳は体。禅は心。体と心は切り離せないものなので、体と心を同時に修養する。
2.力愛不二(りきあいふに)
   …力と愛のどちらが欠けても、人として生きてゆくことも、平和で幸福な理想郷を実現することもできない。力と愛が一体となることが大切。
3.守主攻従(しゅしゅこうじゅう)
   …まず守り、それから反撃の原則。敵を倒すことが目的ではないし、技術的にも有利。勝つことではなく、負けないことが大事。
4.不殺活人(ふさつかつじん)
   …人を殺さず傷つけず、自己や隣人を守る「活人拳」である。
5.剛柔一体(ごうじゅういったい)
   …技の中に剛法、柔法の両方が一体となっている。「剛」「柔」どちらにも優劣や順序はなく、両方を効果的に利用している
6.組手主体(くみてしゅたい)
   …拳を用いる時には相手が必要であるから、二人一組で演錬することが原則。自分が上手になるためには相手にも上手になってもらわなければなりません。協調性ができる。

―『少林寺拳法副読本』50頁〜64頁より

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