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「忘備録(名言・諺等)」の目次はこちら

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名言・ことわざ・雑文・エトセトラ全集(45)


◎いわゆる頭の良い人は、いわば脚の速い旅人のようなものである。人より先のところへ行き着くことが出来る代わりに、途中の道程、或いはちょっとした脇道にある肝心なものを見落とす恐れがある・・・寺田寅彦

◎女は大きな危害は許すが、小さい侮辱は決して忘れない・・・T・ハリバートン

◎土(つち)に立つ者は倒れず。土に活きる者は飢えず。土を護(まも)る者は滅びず・・・横井時敬(農学者)

◎運命は神の考えることだ。人間は人間らしく働けばそれで結構である・・・夏目漱石

◎仁に過ぐれば弱くなる。義に過ぐれば固くなる。礼に過ぐれば諂(へつらい)となる。智に過ぐれば嘘をつく。信に過ぐれば損をする・・・伊達政宗

◎(悪魔の辞典(A・ビアス)より。その14)

(101)「デカルトの」・・・有名な哲学者、デカルトに関して。
デカルトはかの有名な格言「我思うゆえに我あり」を著した人物であり、これにより人間の存在の実体を明示しえたと想像してひとり悦に入っていたのだ。とはいえ、この格言は「我思うと我思うがゆえに我ありと我思う」としたほうがよくなろう。こうすれば、確実性への接近ということでは、従来のいかなる哲学者にも遅れをとることはあるまい。
*デカルト・・・フランスの哲学者・数学者・物理学者。

(102)「ネコ」・・・柔らかくて壊れることのないからくり人形のことで、家庭内のものごとがうまくいかないときに蹴飛ばせるよう自然が授けてくれたもの。

これは犬です
これは猫です
これは蛙です
これは鼠です
走る犬 にゃんと鳴く猫
飛ぶ蛙 かじる鼠
・・・イレブンソン

(103)「けちをつける者(揚げ足取り屋)」・・・我々が自分でやった仕事をけなす人。

(104)「墓地」・・・会葬者が嘘つき合戦をし、詩人がもの笑いの種を書き、石工が賭金を得るために字をつづる、郊外に孤立した場所。下記の二つの墓碑銘は、このオリンピック競技が成し遂げた成果を説明するのに役に立つであろう。

「故人の徳はたいそう際立っていたため、その敵たちには認められることなく否定され、また友人たちには、それによって自らの放埓な生活を戒められることを恐れられ、悪徳だと断定された。故人の徳は、遺族によりてここに永久(とこしえ)にたたえられん。遺族のものもみなその徳を分かち備えたればなり」

「我らが幼きクレアの眠る場所を
この、地中に我らはこしらえたり」
・・・トーマス・M、メアリー・フレイザー夫妻

後記 ― 大天使ガブリエルに我が子の養育を托せり

(104)「修道士」・・・自分の殻に閉じこもり、罪深い不正行為について思いをめぐらす人。そして、そのことを忘れないようにするため、悪の実例に同胞として加わる人。

(105)「ケンタウロス」・・・分業があのひどい差別を生み出す前に生きた人の種族で、「一人一馬(人みな己れの馬なり)」という古代の経済原則にしたがっていた。数多いケンタウロスのうちもっともすぐれた人物はケイロン(ケンタウロス族の一人。賢明で正しく、医術・音楽・狩りなど諸芸に通じていた)で、馬並みの叡智と美徳に加えて、人並みの俊敏さを備えていた。聖書における洗礼者ヨハネの斬首の物語によっても、異教の神話が聖書に記された話を多少とも潤色しているのがよくわかる。
*ケンタウロス・・・ギリシャ神話中の、上半身が人間、下半身が馬という姿をした存在。

◎あなたが妻について考えたことに、良心の呵責を決して感じるな。彼女のほうがあなたについて、ずっと良くない事を考えている・・・ジャン・ロスタン

◎もはや太陽も花も、私は好まない。それを見ていると私の心が痛むから。そしてあなたの死んだ日のような曇った日の方が私には好ましい・・・マリー・キュリー(ノーベル賞科学者マリー・キュリーが夫ピエールを交通事故で失った後、日記に書いた言葉)

◎女は自分を笑わせた男しか思い出さず、男は自分を泣かせた女しか思い出さない・・・レニエ

◎幸福の話をこれほどまでに聞かされていなかったら、人間はもっと幸福だったろう・・シャルドンヌ

◎恋愛に年齢というものはない。それはいつでも生まれる・・・パスカル

◎男は知っていることをしゃべり、女は人に喜ばれることをしゃべる・・・ルソー(「エミール」より)

◎人を裁くな。自分が裁かれないためである・・・聖書

◎男は憎むことを知っている。しかし女は嫌うことしか知らない・・・レニエ

◎貧しさは貧しいと感じるところにある・・・エマーソン

◎貧乏のいいところは泥棒の恐れがないことだ・・・アルフォンス・アレー

◎1つのドアが閉まれば、もう1つのドアが必ず開きます。それはバランスをとるための、自然の法則なのです・・・ブライアン・アダムス

◎食物を選ぶように言葉も選べ・・・アウグスティヌス

◎理解し合うためにはお互い似ていなくてはならない。しかし愛し合うためには少しばかり違っていなくてはならない・・・ジェラルディ

◎えり好みするものは、いちばんつまらぬ物をつかむ・・・日本の諺

◎いかなるすぐれた大学でも、そこで修得する知識は、その後の人生において学ぶものにくらべたら一割にも満たない・・・ロバート・アンダーソン

◎悪を避けようとする決意がつくられるのは、多くの場合、もはや避けることが出来ないまでに悪が進行した後のことである・・・トーマス・ハーディ

◎借金して明日起きるより、今夜食わずに寝よ・・・フランクリン

◎金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。しかし、勇気を失うことは全てを失う・・・チャーチル

◎科学は熱狂や迷信の毒に対する素晴らしい解毒剤である・・・アダム・スミス

◎嫌いなことで成功を収めるより、好きなことで失敗するほうが良い・・・ジョージ・バーンズ

◎人類から愛国心をたたき出してしまわない限り、あなた方は決して平穏な世界を持たないだろう・・・バーナード・ショウ

◎一つのものが同時に善であったり、悪であったり、そのいずれでもなかったりすることがある。例えば、音楽は憂鬱な人には善であるが、喪に服している人には悪であり、聾者(ろうしゃ)にとっては善でもなく悪でもない・・・スピノザ

◎最も難しい3つのこと。秘密を守ること。他人から受けた危害を忘れること。暇な時間を有効利用すること・・・キケロ

◎人の不幸に同情することは人間的であるに過ぎない。それを救うことは神聖である・・・ホーレス・マン

◎「孤独について」---われわれは出来れば、妻も、子供も、財産も、そしてとくに健康も、持つべきである。だが、われわれの幸福がただそれだけに左右されるほどに縛られてはならない。そのためには、完全に自分自身の、まったく自由な裏座敷を一つ取っておいて、そこで我々は毎日、我々対我々自身の話をしなければならない・・・モンテーニュ「随想録」より。

◎小さな子どもたちは神様の命(いのち)、多すぎるということはありません・・・マザーテレサ

◎自分のポケットの小銭は、他人のポケットの大金に勝る・・・セルバンテス

◎所有している金銭は自由への手段であるが、追い求める金銭は隷属への手段である・・・ルソー

◎われわれの生まれ方は一つ。だが死に方はさまざま・・・ユーゴスラビアの諺

◎咎められて立腹するというのは、相手の言い分をもっともだと認めることになる・・・タキトゥス

◎「音楽の力」ピュタゴラスは、あるとき、一緒にいた若者達が祭りの気分に浮かれて、貞淑な子女の家を荒らしに行こうと企んでいるのを察して、踊りの伴奏をしていた女に命じて調子を変えさせ、荘重で、厳粛な、長々格の音楽を弾かせた。そして、いつの間にか彼らの血気を眠らせて取り鎮めた・・・・・・モンテーニュ「随想録」より。

◎貧困と希望は母と娘である。娘と付き合っていると母のほうを忘れる・・・ジャン・パウル

◎豊富ということほど、楽しみの妨げとなり、人を不快にするものはない・・・カルコンディラス

◎恋愛を一度もしなかった女はたびたび見つかるものだが、恋愛を一度しかしない女はめったに見つからない・・・ラ・ルシュフーコー

◎明日は今日より良くないかもしれない。が、明日にはたった一つ大きな魅力がある。まだ来ていないということだ・・・フォースター

◎富……一人の人間の手に帰した多数の人間の貯蓄・・・デブス

◎ポワチエ(フランス中西部の都市)にあるノトル・ダーム・ラ・グランド寺院の由来は次のように伝えられている。その近くに住む放蕩者の若者が、遊女を買って、まずその名前をたずねると、娘は「マリア」と答えた。彼はわが救世主の御母である聖処女の御名を聞くと、非常に強い敬虔の念に打たれ、ただちに女を追い返したばかりでなく、その後の一生を贖罪(しょくざい)に捧げた。そして、この奇蹟のために若者の家のあった場所にノトル・ダームに捧げる礼拝堂が建立され、それが後(のち)に今日見られるような寺院となったのである・・・モンテーニュ「随想録」より。