●明治四十二年檀家総集会
全戸配布で檀家総会を行ったのは、この時だけではないでしょうか?
協議事項は4点。
@ 本堂再建の位置を定むる件
A 同上工事の設計並に請負契約等に関する件
B 本堂再建附帯の事業遂行の件
C 既定の寄附金募集に関する件
どんな総会となったのかは不明ですが、お寺にとっても、各家庭にとっても、大変な案件になったことでしょう。
●本堂再建の位置を定むる件
檀家総集会において、「本堂再建の位置を定むる件」とあるのが不思議な感じがします。
今の福證寺を見ていれば、当然今の場所でしょう、と思うのが普通だからです。
でも実は、本堂再建の位置の候補は、大きくは4つありました。
一つは、江戸期からの本堂の位置。
この場合、本堂を元のように小さく建てなければ敷地に納まりません。
二つ目に、隣りの小川氏所有地を千円で購入し、水路の移設を行い、敷地に納まるようにする。
本堂の左半分が門から隠れますが、結局、この案が採用されて今現在に至ります。
他には、庫裏を小川氏所有地に移設して、本堂が向かって右になるように建てるプラン。
本堂裏の登記所(今の笠松町役場)の東の土地を購入し、そこに随分奥まった本堂を建てるプランなどがありました。
本堂の位置を様々に記した図面や、それぞれ二千五百円から二千円と見積もった地盤工事の見積書に、当時の苦労と検討が偲ばれます。