平成26年8月
ご家族が亡くなられたとき
・臨終を知らせる
ご自宅で、病院で、さらには急に出先で亡くなられることもあります。
病状など定期的に連絡を取られてきた親族もあれば、全く不通にしてきた間柄もあるでしょう。
ご遺族は故人に成り代わり判断し、第一報を知らせるべきと思われる方から順に、臨終の知らせをします。
ご遺体の搬送先と時間が決まった時点で、お寺まで連絡をくださって結構です。ただし、夜11時を過ぎましたら、翌朝にお電話ください。
・ご遺体を安置する
通夜・葬儀までの間、どこに安置するかを決めます。
お内仏(仏壇)がある家では、仏間に安置します。
仏間がない家は、ここに将来仏壇を置くかもしれないという部屋で結構です。
ご遺族は、親族、友人、町内の方の、取り急いでの弔問をお受けすることになります。
・枕経(枕勤め)を勤める
「枕経」というお経がある訳ではありません。阿弥陀経一巻を枕辺で勤めます。
お手次ぎの寺院による弔問の形と言えますが、お内仏やご遺体の状態を改めるという意味もあります。
枕経の際に、あたふたと数珠を探す方も多くあり、以後のことは仏事として行うという点で自分の身も改まります。
枕経は、ご遺体をお釈迦さまの涅槃の姿に似せて寝させ、お内仏の荘厳をきちんと整えてお勤めします。手の離せないご家族に代わって、親族が仏具のおみがきをしている姿など、以前はよく見かけることもありました。
・通夜・葬儀の時間を決め、親族知人など連絡する
お寺の都合を聞いた上で火葬場の予約を取り、通夜・葬儀の時間が決まります。
お手伝いを頂く町内会または勤務先の方があればお願いをし、回覧の文面など確認をします。
通夜葬儀の時間を知らせるべき友人の方などに、会場と時間など連絡をします。
どうやってお寺に頼めばいいのか?
岐阜辺りでは、本家(ほんや)、新家(あらや)という言い方をよく言います。
本家のお手次ぎのお寺に、本家を通じて依頼するのが一般的です。
本家のお手次ぎのお寺が遠い場合などは、同じ宗旨のお寺を探してということになります。(普段の仏事は近隣のお寺、あくまで手次寺は本家と同じという人もいます)
それが難しい場合、喪主の責任で決めることになります。
故人の信仰する宗教でなく、あくまで自分の宗旨で葬儀を行う「宗旨替え」。
病院から直接火葬場に搬送し、葬儀を行わない「直葬」、参列はあるが無宗教で行う「人前葬」、親族・町内・友人などに連絡しない「家族葬」。
いずれにしても、家族の一生に寄り添い、最後を締めくくる宗教をどうするのか、正しい判断と責任の取り方が求められます。
ご本尊のある生活を
ご家族のどなたかが亡くなられてから、初めてお寺と縁ができ、慌ててお仏壇を買い求めるということが、実は不自然なことといえます。
ご家庭に、普段からお参りすることができるお内仏があって、そこを中心に家庭生活が行われてこそ、仏式の葬儀に中身が伴ってくるのです。
お仏壇にお掛けするご本尊は、ご本山からお受けしましょう。
ご本山に取次ぎをするので、私たちは「お手次ぎの寺」と呼ばれるのです。