【解剖学用語】

1 方向と位置をあらわすことば

 矢状 : 体を前後に貫く水平線の方向を矢状といい、その線を含む垂直面を
     矢状面という。多くの矢状面のうち、体を左右、両半分に分けるものを
     特に正中面といい、その面の方向を正中、正中面と体の表面とが交わる
     線を正中線という。

 前頭 : 体を左右に貫く水平線の方向を前頭といい、その線を含む垂直面を
     前頭面という。

 水平 : 直立の位置で、地面に平行な面を水平面といい、その面の方向を
     水平という。

  ※ : 矢状面、前頭面、水平面の3面は、互いに直角に交わる。

 内側・外側 : 2点のうち正中面に近いものを内側、遠いものを外側という。

 内・外または、深・浅
       : 2点のうち体または体部の中心に近いものを内(深)、
        遠いものを外(浅)という。

 前・後 : 直立の位置で、体の前面に近い方を前、後面に近い方を後という。

 上・下 : 頭の方を上、足の方を下という。

 近位・遠位 : 体肢の2点のうち、体幹に近い方を近位、遠い方を遠位という。

2 突出部をあらわすことば

 突起 : 表面から突き出ているところ
 結節 : 周囲からはっきりと区別される肥厚部
 隆起 : 骨の鈍い小さな突出部
 棘  : 鋭くとがった突起
 稜  : 長く連なった隆起部
 顆  : 先端が肥厚している突起
 粗面 : 骨が少し隆起し、ざらざらしている面
 ヒダ : 膜のようなしわで、表面から隆起しているもの
 乳頭 : 乳首のような柔らかい突起

3 陥凹部をあらわすことば

 窩  : 表面からくぼんでいる所
 切痕 : 骨または器官の縁で、刀でえぐり取ったようなくぼみ
 裂  : 裂け目のような狭いすき間
 溝  : 細長いくぼみ(みぞ)
 孔  : 面に開口している穴
 管  : 孔の長くなったもの
 道  : 管の太いもの
 洞  : 広い空洞
 腔  : 体内にある空間または室