********** 郡上と鮎・アマゴ釣り ***********

 長良川は中流域から源流まで、一部の禁漁区を除いて、どこでもアユ釣り、アマゴ釣りが可能な川です。瀬ありトロあり、更には大きな淵がいくつもあるので、鮎を取り尽くすことがなく、終盤まで鮎釣りができる川でもあります。長良川上流の郡上管内のアユは“郡上鮎”というブランドがついており、市場で高く取引されており、釣り人の釣った鮎を一匹から買ってくれる場所が漁協や地元料理屋などいくつも存在しているのも大きな特徴です。ただ、2015年度には長良川の天然アユが準絶滅危惧種に指定されました。特に釣り人への規制はありませんが、以前と比べそれだけ長良川を遡上する天然鮎が少なくなったということかもしれません。

********** 岐阜県郡上市というところ **********

 岐阜県郡上市は長良川上流域を中心とした町と村の集まりで、以前は郡上郡、現在は郡上市となっています。長良川中流域となる美濃市の上流端から、郡上市美並町、八幡町、大和町、白鳥町、高鷲町、吉田川上流の明宝町、八幡町から山越えをした所の和良町(わら)があります。白鳥町から山越えをしたところに旧石徹白村(いとしろ)がありますが、現在は白鳥町に含まれています。

長良川本流上流域(郡上漁協)
 美並町、八幡町、大和町、白鳥町、高鷲町の5町村があり、本流はどこもアユ釣りが盛ん。本流アマゴ釣りも八幡町より上流で行えます。サツキマスは高鷲町を除く全流域が中心。その他、支流では渓流アマゴも狙えます。
吉田川流域(郡上漁協)
 郡上市では最大の支流であり、八幡町で長良川本流に合流しています。上流には明宝町があり、下流域はアユ、上流域および支流はアマゴ釣りのメッカになっています。特産はハムで、明宝ハム(明宝町で製造)、明方ハム(現在は八幡町で製造)の2種類があります。明宝町は以前、明方村(みょうがたむら)でしたが、明宝町に変更。この町名変更については特産のハムにまつわる逸話が残っています。(ここでは省略)
和良川(わらがわ)(和良村漁協)
 和良川が流れている和良町は郡上市に属しますが、和良川自身は馬瀬川、飛騨川と合流し、木曽川に流れ込む小河川。アユ釣り場としても有名な川ですが、ここのアユは毎年行われる“利き鮎会”で日本一を複数回獲得しており、おいしい鮎としても有名。和良川は増水しても一日でほぼ平水に戻るため、長良川本支流が増水のときの逃げ場となっている人も多いと思います。
石徹白川(いとしろがわ)(石徹白川漁協)
 旧石徹白村(白鳥町石徹白)内を流れている小河川で、九頭竜川に流れ込み日本海に流れています。九頭竜川は鮎釣りやサクラマスで有名ですが、石徹白川は上流ということもあり鮎よりもイワナ釣りのほうが有名です。

その他、郡上市の長良川に流れこむ郡上漁協管轄の主な支流
 粥川、亀尾島川(きびしまがわ)、神路川、栗栖川(くるすがわ)、大間見川、牛道川(うしみちがわ)など。いずれもアマゴ釣りが主体で、一部でアユも狙えます。その他白鳥町では各谷でアマゴ釣りができます。(一部の谷で年中禁漁区あり)

郡上での釣り時期

・渓流釣り
 以前、2月1日解禁でしたが、最近は2月15日が解禁日になっています。解禁から4月までは各本支流で成魚放流が行われるため、それを狙った釣り人と、放流地点以外での天然魚狙いの釣り人の2派に分かれます。本流釣りは天然魚が活性化する4月以降からアユ解禁までが主な期間。支流はアユ釣り師の少ない上流部で9月30日まで釣りが楽しめます。
・鮎釣り
 毎年6月の第2日曜前後が解禁日です。解禁日前日から多くの釣り人が集結し、場所取り組や当日は暗いうち(丑三つ時)から場所取りのために川に入る人が多くいます。そのため一級釣り場では朝4時にはすでに満員状態になっていることもしばしばです。
 解禁翌日以降は土日でも釣り場を探せば十分釣りは可能。ただし見渡す限り釣り人は自分一人という釣りはできません。
 盛期は7月の終わり(梅雨明け)から。一部で10月末まで専用区を設けていますが解禁日から9月末までが主な釣期となっています。


********** 郡上より下流の本支流 **********

長良川中流域(長良川中央漁協管轄)

 美濃市・関市を流れる長良川本支流で、本流の長良川、支流の板取川、武儀川、津保川が主な釣り場となっています。主な釣り対象魚種はアユとサツキマスです。アマゴは2月の解禁に合わせ成魚放流はするものの、本格的な天然アマゴ釣りをする場所はほとんどありません。

長良川本流

 アユ釣り解禁は例年6月1日です。専用区を除いては、6月15日から網が入りますが、川幅も広いため、テイナ網程度であれば鮎釣りにはほとんど影響ありません。解禁日以降どこでも釣れますが、初期は美濃市、中期以降は関市でもよく掛かるようになります。

板取川

 長良川では最大の支流で、大会などもよく行われます。川幅も長良川ほど広くはないため、初心者でも釣りやすい川だと思います。網解禁は専用区を除き8月1日。上流は板取川上流漁協管轄になります。

武儀川

 関市で合流する支流です。小河川で網解禁が7月1日のため、網解禁以降は3か所の専用区が主なアユ釣り場になります。上流は美山漁協管轄になります。

津保川

 関市で合流する支流です。首都圏などを流れる川ほどではないですが、生活排水のため他の支流と比べ水質はあまり良くありません。そのため専用区はありますが、他の河川が増水で釣りができない場合などを除き、好んで釣りに入る人は少ないと思います。ただし、津保川漁協管轄になる上流では水もきれいでアマゴ釣りも可能です。

********** 本支流のサツキマス釣り **********

 毎年、4月末から5月いっぱいがサツキマスの釣期になります。長良川中央漁協管内、郡上漁協管内でも本支流でサツキマスを釣りことができ、この時期には多くの本流釣り師が川に入っています。
 もともとサツキマスは海からアユとともに遡上するため、釣り場は下流の岐阜市内(長良川漁協)から関市・美濃市(長良川中央漁協)、郡上市(郡上漁協)まですべての範囲になります。
 但し、毎回釣れるような魚ではないので坊主覚悟での釣行が必要です。

********** 鮎の価格(あくまでも参考です。) **********

 長良川で釣った鮎は一匹から買い取ってくれる場所がいくつもあります。漁協に持っていった場合、買い取るというより“卸す”というほうが正しく、そこに持ちこまれた鮎は翌日の岐阜市場での取引額に合わせ、価格が決まり、夕方以降に返金が可能になります。それ以外にも少し安くはなりますが、その場での現金化に応じてくれる出荷所もあります。
 大体の価格(日によりばらつきあり)
  特:100g以上/匹・・・¥600〜¥1,000/100g
  大:80〜100g/匹・・・¥500〜¥800/100g
  中:60〜80g/匹・・・¥400〜¥650/100g
  小:40〜60g/匹・・・¥300〜¥500/100g
  ビリ:40g以下・・・¥50〜¥100/100g
 全て一匹の重量で100gあたりの単価が決まり、合計は全ての重量になります。
 例:
“特”の単価が¥1,000のとき、120g,110gの鮎を2匹を持ち込んだ場合、価格は2300円。
“小”の単価が¥300とき、一匹50gの鮎を10匹持ち込んだ場合、価格は1,500円。