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塀の一部に開口部を設けるくり抜き門が和田邸では採用されている。 くり抜き門は、門のところだけ塀を高く作ることが全国的には多いが、和田邸は元々塀が高く(3.2m)、 門と塀が同じ高さになっている。 銅板葺きの門の軒が、上部のみ瓦を葺く「腰葺」となっていることもあり、訪問者に威圧感を感じさせない 造りになっている。 |
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塀下部が(縦1.8m×横40〜44cm)の杉の一枚板36枚による建て張り、塀上部が黒漆喰の瓦葺の塀です。 建て張りの板は釘を用いず、土塀に打ち付けられた3段の横桟に蟻継ぎで接合されており、とても細かい仕事がなされています。 |
元々薄い杉板をさらに薄く剥いだ蟻継ぎの箇所が、経年で傷んできています。
塀の裏側は、庭越しということもありますが全く表情が変わります。
黒漆喰だった表面とうって変わって壁面の仕上げはクリーム色に。
竹の情緒を見せる下地窓を設け、窓の四角を丸く仕上げることで印象を和らげています。
塀の下部は、表面は杉板でしたが、裏面は杉皮。
杉皮塀を竹の押縁(おしぶち)で仕上げることは現代の塀でもよく見かける手法ですが、杉皮は耐久年数があるというのがつくづく本当だと思いました。