平成14年10月
第3号

岐阜市男女共同参画推進条例ができました!

       岐阜市男女共同参画推進条例って?
男女が対等な立場で、あらゆる分野で個性と能力を発揮し、豊かで実りある人生を送ることができる・・・・
           そんな社会をめざすための条例です。
基本理念
固定的な役割分担に基づく社会制度や慣習への配慮 男女が共に家庭生活と社会生活の両立 男女の人権の尊重 政策の立案や決定に男女が共同で参画

第5期女性カレッジ(前期)「あなたらしく輝くために」
○私の人生これから    講師:松野裕子さん(中部学院大学短期大学部助教授)
以前、男女共同参画室長をされていた松野先生。今は大学で、幼稚園の先生を目指す学生を育てています。男子学生も多く、動機を聞くと「幼稚園の 先生にあこがれていた」「子どもが大好き」と答えます。今は家庭科の授業で、幼稚園体験があり、子どもと触れ合うことで、心の教育に影響を与え、 男性も保育士を選ぶ時代になったといいます。看護婦から看護師、保母から保育士へと、男性も希望すればどんな職業にもつける社会へと変わりました。しかしその一方で家庭のこと、介護のことは、女性に大きな比重があります。そして今回の講座では、子育てに関わる周りの支援が、子どもにどんな影響を与えるか、その大切さを話されました。これからの人生、自分の時間をどう使うか・・・社会への還元、夫婦の支え合い方、ライフテーマを持った自分育てなどを話し、受講者の生き方を後押ししていました。

○心の対話 心の看取り〜訪問看護の現場から〜
                講師:石田千春さん(訪問看護ステーションサワダ所長)
助産師として多くの子どもを取り上げ、今は在宅ケアを中心に看護を行っている石田先生。半世紀以上、生と死を見続けてきた先生だからこそ、話される内容に重みがあり、受講者に多くの感動とパワーを与えていただきました。病院ではなく、自分が生活してきた風の匂いを感じながら最期を送りたい、と願う人たちのために、先生は訪問し、語り続けています。言葉は 相手を励まし喜ばせることができる一方、悲しませることもあるため、相手の心の状態を見ながら語る必要があるといいます。そして先生は、一人一人に合った心の対話をとても大切にされています。「自分自身の人生を回想した時、心に残る生き方をして欲しい」と話されたことが、受講者の身にしみていました。

○女性の自立と法律       講師:浅井直美さん(弁護士)
 講演は初めてという浅井先生。まず女性の自立を考える上で重要なのは、今女性のおかれている現状を知ることでした。「女性の自立」で一番の問題は経済的自立です。幸せな家庭を築いている時は良いが、離婚の時に、それが大きな問題となります。しかし配偶者からの暴力や借金などから 解放され、自分自身の足を地につけた生活ができるためにも、今一度考えて欲しいところです。また、男性の支配意識や、男性に家事は出来ないという女性の思い込みなど、このような刷り込みや性別役割分担は、一人一人が意識して変えていかなければ何も変わりません。ここ数年、働く女性を保護する法律ができ、男性中心社会から男女共生社会へと転換しています。「女性は自立への一歩を踏み出すため、いろいろなことにチャレンジをしていって欲しい」と語られました。

男女共同参画講座 (第1回)
○女と男の元気な明日のために
                  
講師:杉山智子さん(男女共同参画室長)
民間から起用された杉山室長。 「男女共同参画社会」という言葉は10年程前から言われていますが、 一般的にまだ根付いていません。 そして今まさに男女共同参画社会の実現が、「わが国の最重要課題」では、男女共同参画社会とは? 20年前すでに女性の車掌やバスの運転手がいたり、スーパーのレジには男性がいたりと、男女とも 同じように仕事をしていてとても新鮮でした。また、父母会が夜に行われており、昼間家庭にいる女性しか出席できない父母会ではなく、子ども達も連れて家族で父母会に参加していたのが印象的でした」と語った。「自分が何をやりたいのか分からなくなった時、子どもの頃に興味を持っていたことを思い出してみると 糸口が見つかります。人生は一度しかないので、勇気を持って新しいことに挑戦してください」と受講者を元気づけていました。

今回の講座キーワード

             M字型曲線って?

 日本における女性の就業率の状況を表した言葉です。図のように20代前半までは就業率が高く、25〜歳にかけて出産、育児、介護を機に退職を余儀なくされ、子育てが終わる 40代から再び上昇します。このグラフの表す形が、アルファベットの「M」に似ていることから「M字型曲線」と呼ばれています。男性は台形型であるのに対し、女性の「字型曲線」は、先進国の中では日本だけに見られる傾向です。女性が仕事を辞め、しばらくして再就職するが、パート職につくケースが ほとんどです。ここ数年で、Mの谷が緩くなったものの、いまだM字型であることには変わりはありません。今では台形型を描く諸外国の女性就業率もかつて M字型であったことを考えると、今後の更なる取り組みの強化が求められます。


受講者の声
現代社会において、女性として活躍されている方々のお話が聴講でき、
  大変貴重な体験ができました。
石田先生とは、私の仕事とリンクする部分も多く、私自身ではまだまだ経験できない事が
  聞けて強く印象に残りました。

経済的自立を支える法制度について、詳しく知りたかった。
女性としての自己を高めたくて受講しました。さまざまな分野で活躍している講師の専門性、
  人生観、多様な考え方に触れることができ、大変よかった。
“一度の人生、明るく強くしなやかに”の言葉がとても心に残っています。
「男女共同参画社会」という前向きな生き方を推し進めた企画を行っているが、一般には
  まだまだ関心が薄いように思います。もっと人々に意識を持って生活して欲しいと思いました。
「託児がある」というのが受講しよう(出来る!)と思ったキッカケでした。
  託児のおかげで集中して受講ができ、自分の時間が持てたことをうれしく思います。
講座を聴いて、先生からパワーをいただき、もっと人生をがんばろうと思いました。

リレーコラム
                            岐阜市  兼松 晴美
 暑さと共に夏休みも過ぎていきました。私は大正生まれの両親に家庭教育を受け、戦後の学校教育を受けてきました。そして今は、新人類といわれる子ども達に囲まれ、専業主婦をしています。最初は“自分の子どものために”から、いつの間にか“周りの子ども達のためにも”と、子ども劇場 (NPO法人申請中)でボランティアをしています。このボランティア活動の中では、誰々の娘さん、誰々の奥さん、お母さんではない私の名前で呼ばれます。何かとてもうれしいです。家族の一員として役割を担っていることは確かですが、社会の一員としてあなたにも役割があるんだよと呼ばれている気がします。《豊かな文化を育む環境の中で楽しい子育て》を目的に、子ども劇場ではたくさんのお母さんがお母さんという役割を生かして、それを超えて子ども劇場という社会に参加し活躍しています。これが私にとって男女共同参画社会という“言葉”を一番身近に感じる時です。これからも、ぽつぽつと歩いていこうと思います