水うちわとは

 水うちわは、雁皮紙(がんぴし)という非常に薄い和紙を貼り、専用のニスを塗って仕上げてあるのが大きな特徴です。 雁皮紙につきましては、検索サイトでたくさんの情報が得られるかと思いますが、昔は謄写版原紙(ガリ版刷り)の元の紙(雁皮紙にロウ引きしてあった)や模型飛行機の羽に貼られていた物です。  現代では、化粧品の脂取り紙に使用されている紙といった方が分かりやすいかもしれません。 又、仕上げのニスにつきましては石油製品のように感じますが、当店で使っているニスは昔ながらの製法で作られた、天然由来の物を塗っております。
 最初に水うちわが作られたのは明治時代だそうで、ニスを塗る事により透明感が出て、涼しげなうちわに仕上がります。 見た目が透けて涼しげなため、水うちわと名前が付いたと聞いております。 昔は水につけて気化熱で涼むという方法で涼をとったとも言われていますが、当時は物を大事に扱っていた時代ですので、本当に浸けていた訳ではありません(複数のお客さん談)。 私個人としても、そんな事はしなかったと考えております。




扇風機やクーラー、エアコンも無い時代には、チリンチリンと鳴る風鈴の音を聴いて(聴覚的に)涼しさを感じていたように、水うちわを見て(視覚的)に涼しさを感じていたのではないでしょうか。
↑水うちわを乾かしています

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住井冨次郎商店 住井一成