■ 非常識−それは、ひどく不似合いな台詞− ( トリップ前 / INブリーチif ) 放浪から帰ってきて。 巻き込んで姉の家襲撃して。 んで、たまには年長者の威厳を発揮して旨いモノを食す機会へご招待つかまつろうではないか何おごりだともありがたく思ったりすると良いかも知れん敬い讃えよそれだと嬉しい――――なんて、相も変わらずの長ゼリフ拝聴して。 「で、何でこうなるかなー」 ちゃん悪い事やって無いよー? こんなによい子なのに! 「ふふん、何とも愉快痛快片腹痛い発言だ。 従妹殿の日頃の行いは良い子の行いからは程遠くを爆走していると公衆道徳理論を説くまでもないレベルだろう」 心境をあっさり読みとって余裕の笑み、的なものを眼差しで語りながら鼻で笑い飛ばす姉。 わぁ、ム カ つ く ☆ 「それよりさ、あれをどうするかが一番の問題じゃない?」 特に面倒そうな表情を変えることなく走りながら、後ろを示す。 ちなみに現在、走っているのは屋根の上。 後ろから追っかけてくるのは、何だかよく解らない、骸骨っぽいようなそんな化け物だ。 ああ、かなりどうだっていいかな! 「それより美味しいご飯が食べたいのだよーああもう姉、ホントに美味しいのそこ」 「疑われるのは心外だったりして繊細ハートが傷つくのだが。 だが旨いぞ、隠れた名店だ。特にデザートのジェラードが旨くてなぁ綺麗でとろけるふんわら感で値段もお手頃!」 「ふんらわ感てソレ何?」 そんな感じで屋根の上をひょいひょい疾走していく三人組に、偶然通りすがる人々は奇異の視線を向けていたりして。 「うーん、流石にここらでやると目立つな」 「ま、そうそう居ないでしょ。屋根の上走ってる連中なんてもの」 ああお腹減ったなーとぼやきながらが言う。 確かによそ行くとそうだけどさ、地元ならちょくちょくいるし屋根走るくらい別に大した事なくね? 「どうもアレも見えていない様だしな、つまらん事に。 見えていたら素晴らしいパニックマジカルだ、ふふふきっと見物だっただろうな」 「「姉、悪趣味」」 ダブルで突っ込まれ、冗談だと真顔のままで応える姉。 いまのは90%ぐらいは本音だな、うん。 『クソッちょこまか逃げおって!』 後ろで毒づく声。 へー、あれしゃべれたんだ。 姉なんて新種の玩具見つけた時の輝く真顔してるよ。 きっと解剖したい触りたいあの骸骨顔仮面は剥がせるのだろうかとか考えてるよなこれ。 「いい加減逃げるのも嫌になってきたんだけど、アタシ」 「同感だけどさー、物理的攻撃って効くかねぇ?あれ」 「ふむ、では試すとしようではないか。実験実践実務は重大要素というものだ」 「食われない程度にな!」 けらけら笑って反転攻勢に移ろうとすれば、ふと、前方に誰か居るのを見つけた。 黒い着物を纏い抜き身の刀を下げた、いつの時代の人間だお前と言ってしまいそうなタイプ。 顔立ちはけっこう整ってる方で、厳格かつ冷然とした雰囲気を持っている。 京都とかだったら似合うけどなぁ、こんな町中じゃ似合わない事甚だしいぞ。 そして取り敢えず、銃刀法違反じゃねーかよと突っ込むべきなんだろうかとか思った。 なんて化け物気にしながら真面目にツッコミすべきか否か悩んでんぞ。 そしてあの刀は使いでが良さそうだな、よし借りるかと真顔で決定する姉。 タンッ 男が重力を感じさせない軽い身のこなしであたし達を飛び越え、化け物に斬りつける! 『ギィヤアァァアァァアァァァアアアアァァァ!!』 断末魔と思わしき絶叫を上げる化け物。 耳障りなその声を聞きながら、 「大概非常識だよね、この光景ってさ」 そんな事を呟いたら、お前が言うなとに殴られた。 あぁ不条理。 ■ イッツアショータイム!−3つのお願い叶えましょ♪− ( アラビアンナイトパロディー ) きゅぽん。 軽い音と共に噴出した煙に、白夜はその小瓶を即座に投げ捨てて跳び退き、剣の束に手をかけた。 小瓶の容量を考えれば決してあり得る筈も無い量の白煙はきらきらとした銀の光を宿しており、真昼の太陽の下だと云うのにやけに妖しく見る者を惑わす。明らかに異常な光景。 ―――砂漠に棲む魔は、人を喰う。 その類なら何度も遭遇した事はあった。人ならざる彼らとても強い。人間如きでは太刀打ちするのも困難である。 彼の率いるキャラバンからはほど遠い場である事に舌打ちを禁じ得なかった。ついでに己の迂闊さにも。 天空か、氷月辺りがいれば砂漠のあやかし相手でも手こずる事は無いだろうに。 白煙が鮮烈な銀へと変化する。深化して、其れは急速に渦を巻いて密度を高めていく。 砂漠の風が砂に波紋を作る。強力な風圧に、白夜は足を踏ん張って留まった。 今や完全な銀となった煙が、人の姿を造形して。 まぶしく、あやしく輝いた銀は光を失って収束し、収斂して。 ゆるり、と少女の姿をした異形が瞼を開いた。 純粋に苛烈な灰銀が、白夜を見据えて。 にまッと、それはもう楽しそうに愉快そうに――― 綺麗に笑ってこう言った。 「おっめでとーございまーっす!アナタは今日からこのあたしのご主人!! さぁ望む願いをずぞぞっとカモーン☆ どんな願いも野望も欲望もも3つまでなら叶えてあげちゃうよーん♪」 やけに軽いノリは、少なくとも怖ろしさとは正反対なくらい縁遠かった。 その後の見どころ ・見なかった事にして帰る白夜(放置プレイ) ・「え、放置とかありえねーって。 ねーおにーさん若いんだから口に出せない十八禁欲求の10個や一億かかえてるっしょー?」 と追う魔人主。 ・マイハウス小瓶は持参。別に封印されてる訳でもない。願いを叶えているのはその場のノリと気分である。 ・邪険に切り捨てても全然堪えてなくて最終的に折れる白夜。 ■ 問題点− 一族にまつわるエトセトラ − ( トリップ前 / 設定的身内話 ) 血筋に寄るものか、はたまた根底の部分で共通する基本的教育方針の結果なのか。 多芸多才。さもなくば数点豪華主義。 そんな人間が大半を占める一族―――まぁ、規模としてはそう大層なものでも無いが―――それが塚祀一族であった。 、、の三分家を含む一族は、能力的には極めて有能、ただし変人分類が大半を占めるのも特徴である。 その特徴は分家、さらには何故か婿入り・嫁入りしてきた人間にまで及ぶ。 「ある意味呪われてると言うか、朱に交わらずに赤いと言うか、類は友を呼ぶと言うか・・・・」 自分のことは棚上げし、の長女がそう嘯いた事も一度や二度では無い。 家の娘などは、 「楽しくていーじゃん。怖いけどさのじぃちゃんと本家のおばさ・・・・おねーさんってああすいませんごめんなさいそうですねそんな年じゃなかったよね!ごめんなさい許してあたしが悪い子でした ぬぎゃァアぁァア!!! (逃)」 と、そうのたまったものだが。いい気なもんだ。 とにかく、問題はそこでは無い。そう、そこでは、無い。 最大の問題点、それは。 「"ごめんなさい、あなたの親戚の方々やご家族とうまくやっていく自信がありません” ―――――ってのはどこまで本気だと思う・・・・?」 「知らねぇよ」 「ふむ。最大の理由とは言えないだろうがおそらく一端ぐらいは担っていると推察する次第だ従兄殿。 乙女心は深遠摩訶不思議、魑魅魍魎の花園と言え「だぁ。なげーっつの」 の長男との次女。イトコ二人の慰めですらない言葉を耳にして、彼女に結婚の申し込みを断られ、あげくそれが原因で破局したのご長男は一人で切なく泣き濡れた。 まぁ、つまりそういう話。 ■ もしもボッ○ス−もしもゲーム開始時「いいえ」を選択していたら− ( トリップ時if ) 「なんとなく面白そう」 で買った10円ゲーム。 そして今まさにゲーム画面に現れる、人生の選択肢!(違) でも何故だろうか。容赦なくイエス選択したい所なんだけども。 「怪しさまっさかりなのはどうでもいいとしても・・・・開始の発言が超絶殺意わくな」 あとナンカちょっぴり心読まれた的なのも腹立たしさを助長するのですよ大佐! てな訳で電源容赦なくブッタ切りしてポケモン赤に回帰してみる所存。 古いとか言うなばか!今いいとこなんだ!!カメックスに火炎放射覚えさせたんだぞ!!(バグ技がまた良し!) 「次はコイキングでミュウ錬成しよっかなー」 ボックス満杯になるまで。 ふんふんふーん♪と輝かしくも楽しいバグ技遊びの予定を脳内で組み立てながらNOを選択。 その瞬間、新しい白抜き文字が浮かび上がった。 【 おめでとうございます 】 「は?」 【 あなたは今まさに特設ステージへの通路をつかみ取られました! 】 「特設?え、なにこの仕組み?NOはやらねぇって意思表示じゃねぇのかよ」 【 まぁ通常はそうなんですが特別仕様。いいから今から出す質問に全て回答しろ雌豚 】 「 反応されて謂われの無い中傷されたー!?!? なんだこのゲーム!!!!」 エマージェンシー発令。 異常事態ですよ親友様。 手がゲームから HA NA RE NA I ☆ 「とーりーつーかーれーたーっ!?呪いのゲームかこれは!!!」 【 折角かかったモルモットを逃がす奴はいないですよ下等生物めが 】 「あたし実験動物!?」 【 設定はもーいいですよー現状維持にしときます。チッ手間かけさせやがってウジ虫めが 】 「イチイチ発言ケンカ売ってるよなぁお前!ゲーム風情があたしに勝利するなんぞ一億五千万年早い!!」 がんがんがん。 「ってなんで傷一つ付かないかなこのゲーム機!?」 【 理解能力の浅い生物ですね人間って。あー持ちポケはもうコイキングって事で 】 「“はねる”しかつかえねーじゃん!」 【 失礼な。稀にいいかんじな攻撃技覚えてますよ。そんなのは付けてあげませんが 】 「意味無い!超意味無い!」 【 現実ってそんなもんです。行き先はランダムでいっかー。 じゃあさようなら被験者一号、もう会うことも無い 】 途端に全てが黒く塗り潰される。 持っていたゲーム機まで消え失せて、重力が消えて。 ヒモ無しバンジーで強制落下をしながら、は頭上に向かって中指を押っ立てた。 「ぜってーブッ殺ぉーすッ!!!!」 そんな、長い長い旅のはじまり。 |