0-V-2 ブリキ・ラジオ





 ある日、子供部屋の片隅に放置されたゲルマラジオが目に止りました。 そういえば2年ほど前に、せがまれてポリバリコンとゲルマダイオードを買ってやるとともに、フィルムケースをボビンにしてコイルを巻いてやった記憶があります。 地元ローカルがかろうじて聞こえる程度でしたから、すぐに飽きたみたいです。 かまぼこ板に鎮座した単連ポリバリコンを見ていたら、どなたかのホームページに24V電源の12AU7再生ラジオがあったことを思い出しました。 次の瞬間、近場の100円ショップで006Pが2本で100円、単ニ電池は4本100円であったことを思い出し、下の式が成立してしまいました。
 
(ポリバリコン + 手持ちの6C4 + 006Pが4本で200円)× 暇つぶし = かまぼこ板単球ラジオ

 まあ、このような発端で始まったのですが、なんせかまぼこ板の上なので、改造はいとも簡単です。ジャンク箱の中のいろんな部品をとっかえひっかえしているうちに、だんだんのめりこんでしまいました。 いちいち書くと長くなりますが、下のような展開で結局1か月近く楽しめました。 電池管でなくても、結構低電圧でまともに動くもんですね。 新しい楽しみ方を見つけたみたいで、ちょっと嬉しいです。

  1.6C4使用、Ep=33V(27+6)、Rp=10Kで3局程度は結構よく聞こえる。

  2.6AK5⇒6AB6⇒6AU6(SGは電池直結)の順で球をいろいろ変えてみる。

  3.豆コン無しでの再生テクニックを知る。(勝手にリンクはここ。 この方すごいです。)

  4.コイルを巻きなおし再生ラジオに。当たり前だが飛躍的に感度・選択度UP。音もかなりまとも。

  5.余った6C4で別かまぼこ板に低周波増幅回路を仕込む。

  6.さすがにヒータ用単ニ電池の減りが早いので、ジャンクのトランスと三端子Regで点火。

  7.三端子(12V)導入に伴い、12AU6と12AU7(片側)に変更。

  8.12AU7の空いてる方も使い、0-V-2化。 終段に5kのOPTを無理やりつけたが、結構SPが鳴る。

  9.100円ショップでブリキ缶を見つけ、コンパクト・ブリキラジオ構想が頭をよぎる。

  10.ジャンク屋で携帯充電用の5.8V/730mAというSW電源(100円)を見つける。ヒーター用に購入。

  11.ブリキ缶のふたに無理やり組み込んでとりあえず区切りとする。B電源は12Vトランスを倍電圧整流。


 コイルはいいかげんに巻いたので、中波放送域より幾分短波側にずれていますが、ローカル局が1000~1500kHzの間にあるので良しとしています。B電圧は35V程度ですが、50cmくらいのビニル線アンテナでもローカル局はかなり大きい音が出て、ナイター中継用として十分実用になっています。 通常よりRpがかなり低いですが、このくらいの低Epだとこの程度の方がいい結果が出るようです。 出力トランスは巻きなおすつもりでしたが、結構まともな音が出ていますのでそのままにしました。(プレート損失など気にならない使い方ですし…。)  最終的に、検波管はヒーターが小さい6BH6に落ち着きました。

回路図(PDFです。)   裏面    ブリキ内部


 余談ですが私の住む中部地方のとある県庁所在地(〒500-XXXX)では、何年か前、ついに唯一と思われたパーツ屋さんが店を閉めてしまいました。 その店は今は中古屋に衣替えしていますが、昔の名残か今もジャンクコーナーがあり、結構楽しめます。 その中に、Voice Serviceというインターホンを一回り大きくした機器が未開封箱入りで山積みされ、ひとつ100円で売られています。(2003.4月時点でまだ100箱くらいあるみたい) 店には見本が裏蓋をはずして置いてありますが、なんと中には東芝のTA7205APパワーアンプIC、7805と7812(小型放熱器付)、12Vと15Vの小型トランス各1個、8cmスピーカー、PCM・IC、OP-AMP、ブリッジダイオード2個、アルミダイカストのつまみ・・・と宝の山です。 実はこのラジオのつまみをはじめ、電源トランスやケミコン、スピーカーやVRなどはすべてこのVoice Serviceから外して使っています。 近所の方は2つや3つ買っておいても損じゃないと思いますよ。 

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